2021年11月28日

カテゴリー:

税金その他


2022年1月から施行される電子帳簿保存法の対応は、最低限この3つだけ対応しましょう

365日ブログ 

1,581日目 


公認会計士・税理士 

畑中 外茂栄です



来年の2022年1月から施行される改正後の電子帳簿保存法

少しずつクライアントに案内をかけていますが、



「面倒くさすぎます」

「結局、どうしたらいいんですか」



こんな反応を多くいただいています



予想通りの反応です(笑)



上のブログでも以前書きましたが、

今回全業種に関係しているのが電子取引です



電子データで受領したものは

電子で保管していくことが義務化されます



この電子取引に対応するために、

電子取引の保存要件として2つあります



下記は国税のリーフレットからの抜粋です


大きく分けると2つありまして、



真実性の要件

可視性の要件



です



簡単に伝えると、



真実性の要件とはデータを改ざんできない仕組みを作ってね

可視性の要件とはデータをすぐ検索できる仕組みを作ってね



ということです



順番に見ていくと、

まずは真実性の要件の話です



この真実性の要件の①~③の部分のタイムスタンプや

改ざんできように履歴が残るシステムを導入するのは

追加のコストが発生してしまいます



そのため、

この電子帳簿保存法の最低限の部分だけに

対応できれば良いという考えの方にはおすすめしていません



特に利益が生まれる制度ではないですし、

それだけの追加のコストが発生するのは、ね・・・



おすすめしているのは④の事務処理規定の作成です



この事務処理規定のひな形は国税のホームページに公表されています



国税URLはこちら



こんなひな形です



電子取引に対する会社の管理体制を明記します



ワードで公表されていて、

自社用に数カ所更新するだけです



補足で、個人的に上記の規程に

追加しておくとより望ましいと思っている項目があります




それは、


・規定自体を変更するときの手順

・いつ時点の規程なのかの明記



です



国税庁のひな形ではここまでの記載は無かったのですが、

今後電子取引自体どんどん変わっていく分野ですし

規程自体を変更することはよく起こりうると思われます



そのときに規程自体を変更するときに、

例えば「取締役会の承認を必要とする」などの

手順を書いておくとより望ましいと考えています



また規定自体も変更していくなら、

いつ時点の規程かを書いておくとより明瞭になりますね



次に可視性の要件の話です



これについては、

電子データをすぐ検索できるように仕組を作る必要があります



こちらについては大きく分けて2つありまして、



・ファイル名を①取引年月日 ②取引金額 ③取引先 に変更

・ファイル名は連番管理エクセルなどの管理シートで管理する方法



です



下記もリーフレットからの抜粋です



例えばアマゾン等のサイトから

領収書のPDFをダウンロードをして、

①取引年月日 ②取引金額 ③取引先 にファイル名を変更をします



また別の保管方法として、

ファイル名は連番管理だけしておいて、

エクセル等で連番に紐づいた内容を

記載する方法も認められています



上記の国税のURLに、

索引簿というひな形の例示が公表されています

ファイル名は①、②、③・・・としておいて、

詳細な内容はエクセル等で記載をしていくやり方です



弊社の体制で言えば電子取引はそこまで多くないので、

前者のファイル名自体を変えていく方法で管理していく方針です



ここは会社の電子取引の内容や体制によって変わりそうです



上記の真実性の要件と可視性の要件は税務上の要件ですが、

最後に考えておきたいのが電子取引を保管する方法です



これらの電子取引のデータは

あくまで電子上の帳簿のため、保管義務があります



青色申告を使用する場合には

最低でも7年間の保存義務、

税務上の特典である繰越欠損金を使用する場合には

最大で10年保管しなければなりません



パソコンのローカルに保存をすると、

仮にそのパソコンが故障・紛失を

してしまってはデータそのものが

無くなるリスクがあります



そのためローカルに保存はおすすめはしていません



おすすめの方法の1つは、

クラウドサービスの利用です



もうすでに会社で、

Googleドライブドロップボックスなどの

クラウドサービスを利用している場合には

クラウド上に保管をしていきましょう



でもコスト等の理由から、

そのようなサービスを利用していなくて

今後もクラウドサービスを利用しないという方も

いらっしゃると思います



そのような方は、

いったんローカルのパソコンに保管をして、

決算が終わったタイミングでCD-Rにバックアップを取りましょう



CD-Rは1枚数十円程度ですし、

コスト面では一番負担が少ない方法です



まとめると、



①規定を作成する

②電子取引の把握⇒ファイルを保管する

③保存先をクラウドかCD-Rにする



この3つをやっておけば、

最低限の対応はクリアです

とはいえ電子取引もどんどん進化していく分野ですし、

我々もまだまだ手探りの部分もあります



現段階では完璧に運用できなくても

すぐに青色申告の取消しには

ならないという見解が公表されています



完璧に運用は難しくても、

やれる範囲でやっていくというスタンスでも

税務調査等の心証は変わると思われます



実際に運用が始まっていけば事例も貯まっていきますし、

またお役に立つ情報があれば発信していきます



公認会計士・税理士 

畑中 外茂栄

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