2020年6月4日
カテゴリー:
株主総会の「延期」と「継続会」
365日ブログ
1039日目
短期でキャッシュフローを改善し、
経営者のビジョンと願望実現を支援
財務戦略の専門家
畑中 外茂栄(はたなか ともえ)です
今日はちょっと知人税理士から
質問を受けて調べものをしていました
ちょうど今の6月の時期に3月決算が行う、
株主総会
上場企業の場合で、
3月決算の場合には5月上旬には決算が固まり、
株主へ招集通知が発送され6月に株主総会が行われます
ところが、
今はコロナの影響を受けて決算業務の遅延や
監査法人の監査の遅延など様々な影響が出ています
その中で6月の定時株主総会も
通常通りに開催できない可能性があります
決算書を承認するのが株主総会なので、
決算書が完成していなかったら
承認を受けられないためですね
とはいえ株主総会は行う必要があります
そのときの運営方法は大きくわけて、
延期と継続会
の2つがあります
金融庁にも参考となる運営方法が公表されています
延期については株主総会の開催そのものを遅らせることで、
6月の株主総会を7月以降に日程をズラすことです
継続会は、
6月に株主総会を開催しつつ、
決算書が固まった段階でもう1度固まった決算書について
株主説明をする場を設ける、いわば2段構えです
どちらの運営方法を採用するかは会社次第ですが、
注意しなければいけないのが議題に
役員報酬の変更の議題がある場合です
株主総会の運営などは会社法の話ですが、
役員報酬変更の話は法人税法の話で取り扱いが変わってきます
役員報酬は事業年度終了3ヶ月以内に行われる
株主総会で承認を得る必要があります
今のところコロナの関係で株主総会を延長等をした場合でも、
この定期同額給与のルールも併せて期限を
延長できるといった見解は公表されていません
そのような特例が公表されていない以上は、
原則通り事業年度終了3ヶ月以内の株主総会で
決定する必要があると考えられます
つまり議題に役員報酬変更がある場合には、
後者の継続会での運用が望ましいと考えられます
その他議決権の行使に際して
株主の基準日の論点などもあります
柔軟な対応が認められているものの、
初めてのケースも多いと考えられるため
法律の趣旨、背景等を考えて方針を決めていきましょう
※追記 6月12日にこちらについて見解が公表され、
「延期の場合でも定期同額給与の要件を満たす」との見解が公表されました
短期でキャッシュフローを改善し、
経営者のビジョンと願望実現を支援
財務戦略の専門家
公認会計士・税理士
畑中 外茂栄