2025年11月8日

カテゴリー:

資金繰り


急な資金需要に備える!当座貸越契約の賢い使い方と銀行との交渉術


公認会計士・税理士 

畑中 外茂栄です。 



1.当座貸越契約とは?



当座貸越契約(以下「当貸」)は、銀行が設定する極度額の範囲内で自由に借入・返済できる融資枠です。


急な支払いに備えた「資金の予備バッファ」として有効ですが、金利がやや高く、更新審査がある点には注意が必要です。





2.賢い使い方のポイント



① 利用シーン



  • ・納税・賞与などの一時的支出
  • ・季節変動で売上が落ちる時期の資金繰り
  • ・仕入れや在庫購入のタイミングずれ対策



② 管理のコツ



  • 必要な時だけ借りる:常時借入状態は金利負担増。
  • 。返済可能ならすぐ返す:使わない期間は利息ゼロ。
  • ・用途は運転資金に限定:長期投資に使うと銀行評価が下がります。




3.銀行との交渉術



① 事前準備



  • ・直近の決算書と資金繰り表を整備
  • ・資金使途(例:納税対応・仕入資金)を明確化



② 交渉のポイント



  • 極度枠の根拠を提示:「月商1か月分」など、具体的に示すと通りやすい。
  • ・更新条件を確認:1年更新なのか、審査基準は何かを事前に把握。
  • ・金利交渉:枠をあまり使わない実績があれば、次回更新時に金利引下げを打診。



③ 信頼関係を築く

日頃から取引実績・財務情報を共有し、担当者に「安心して枠を出せる企業」と認識してもらうことが、最強の交渉術です。




4.注意点



  • ・枠を常に使い切ると、更新時に減額・打ち切りのリスク。
  • ・業績悪化時は更新不可になる場合も。
  • ・金利上昇局面では借入コストが上がるため、枠利用を最小限に。




5.まとめと行動ポイント



  • ・✅ 決算書・資金繰り表を整えて銀行に提示準備を。
  • ・✅ 当貸枠がなければ、メイン銀行に「予備資金枠」として相談。
  • ・✅ 既存契約がある場合は、極度額・更新日・金利条件を再確認




当座貸越契約は“使わないために備える”資金調達ツール。


平時に枠を確保しておけば、いざという時にスピーディーに資金を動かせます。
資金繰りに不安がある方は、今のうちに銀行との関係を見直しておきましょう。


公認会計士・税理士 

畑中 外茂栄

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