2025年11月8日
カテゴリー:
急な資金需要に備える!当座貸越契約の賢い使い方と銀行との交渉術
365日ブログ
3,022日目
公認会計士・税理士
畑中 外茂栄です。
1.当座貸越契約とは?
当座貸越契約(以下「当貸」)は、銀行が設定する極度額の範囲内で自由に借入・返済できる融資枠です。
急な支払いに備えた「資金の予備バッファ」として有効ですが、金利がやや高く、更新審査がある点には注意が必要です。

2.賢い使い方のポイント
① 利用シーン
・納税・賞与などの一時的支出- ・季節変動で売上が落ちる時期の資金繰り
- ・仕入れや在庫購入のタイミングずれ対策
② 管理のコツ
・必要な時だけ借りる:常時借入状態は金利負担増。- 。返済可能ならすぐ返す:使わない期間は利息ゼロ。
- ・用途は運転資金に限定:長期投資に使うと銀行評価が下がります。
3.銀行との交渉術
① 事前準備
・直近の決算書と資金繰り表を整備- ・資金使途(例:納税対応・仕入資金)を明確化
② 交渉のポイント
・極度枠の根拠を提示:「月商1か月分」など、具体的に示すと通りやすい。- ・更新条件を確認:1年更新なのか、審査基準は何かを事前に把握。
- ・金利交渉:枠をあまり使わない実績があれば、次回更新時に金利引下げを打診。
③ 信頼関係を築く
日頃から取引実績・財務情報を共有し、担当者に「安心して枠を出せる企業」と認識してもらうことが、最強の交渉術です。
4.注意点
・枠を常に使い切ると、更新時に減額・打ち切りのリスク。- ・業績悪化時は更新不可になる場合も。
- ・金利上昇局面では借入コストが上がるため、枠利用を最小限に。
5.まとめと行動ポイント
・✅ 決算書・資金繰り表を整えて銀行に提示準備を。- ・✅ 当貸枠がなければ、メイン銀行に「予備資金枠」として相談。
- ・✅ 既存契約がある場合は、極度額・更新日・金利条件を再確認。
当座貸越契約は“使わないために備える”資金調達ツール。
平時に枠を確保しておけば、いざという時にスピーディーに資金を動かせます。
資金繰りに不安がある方は、今のうちに銀行との関係を見直しておきましょう。
公認会計士・税理士
畑中 外茂栄





