2019年9月19日
カテゴリー:
赤字事業の縮小・撤退・売却をするための2つの判断基準
365日ブログ
780日目
短期でキャッシュフローを改善し、
経営者のビジョンと願望実現を支援
財務戦略の専門家
畑中 外茂栄(はたなか ともえ)です
中小企業でも複数の事業部や
商品展開をしている会社は多くあります
新しい事業を始めた際に
黒字事業であれば問題はないのですが、
悩ましいのは赤字事業に対する判断基準です
赤字事業を継続していくと
別の黒字事業ひいては会社全体にも
影響を及ぼします
影響が僅少であれば
継続できる可能性はありますが
経営判断のタイミングが遅ければ
倒産という可能性もあります
金融商品の投資の世界でも
損切りという考え方があります
損失がある一定のラインに達すると
損失を確定させることを損切りいいます
新規事業を始める際には、
赤字事業に陥った際の
縮小・撤退・売却の経営判断の基準を
事前に決めることで会社の存続や
雇用を守ることができます
その際には2つの考え方をご紹介します
1.会社全体の収支
例えば、
A事業とB事業の2つを行っていたときに
A事業を黒字事業
B事業を赤字事業
とします
この際に
B事業の赤字をA事業の黒字で吸収できれば、
会社全体として黒字を維持できます
問題なのは、
B事業の赤字をA事業の黒字で
吸収できない場合です
会社全体として黒字を維持できないのは
会社存続が危うい状態に近づいていきます
このときの撤退ラインの決め方としては、
単月赤字が○ヵ月続いたら撤退を検討するなどの
ルールを決めておきましょう
そのためには
会計上は部門別計算などをしっかり行い、
会社全体の収支をタイムリーに把握しておきましょう
2.累積損失の上限を決める
この方法は比較的わかりやすいのですが、
事前に投資をできる金額を明確に決めてきます
例えば、
新規事業用に新しい通帳を作って
1,000万円を用意します
新規事業用に使っていいお金は
1,000万円のみです
1000万が尽きて残高が
0になったときに撤退です
このように損失を出しても耐えられる
上限金額を決めておくことも大切です
3.決断できるのは経営者だけ
事業については数字だけでは語ることができない
経営者の方の想いや感情の部分があります
既存事業の撤退・縮小・売却は
新規事業を始めると同じくらい、
あるいはそれ以上にエネルギーを使います
ですが、
決断できるのは経営者のみです
会社を維持・存続していくためにも
経営判断の基準を作っておきましょう
短期でキャッシュフローを改善し、
経営者のビジョンと願望実現を支援
財務戦略の専門家
公認会計士・税理士
畑中 外茂栄