2026年3月20日

カテゴリー:

融資&創業融資


金利上昇局面で見直したい借入戦略


公認会計士・税理士
畑中 外茂栄です。



「借入は必要なときに足りていればよい」



そう考えたくなるものですが、金利が上がる局面では、同じ残高でも利息負担の重さは確実に変わります。



見直すべきなのは、損益計算書に出てくる支払利息だけではありません。



返済スケジュールと手元資金の余力まで含めて、借入全体を整理するタイミングです。





まず押さえたい「見直しの軸」



よく比較されるのが、



・変動金利
・固定金利



です。



どちらにも一長一短があります。



変動金利は、当初の負担は軽くても、市場金利の上昇とともに利息負担が増えやすい特徴があります。



一方で固定金利は、返済額の見通しを立てやすい反面、契約時の金利水準や借換えのタイミングによって有利・不利が変わります。



つまり、



金利タイプだけで判断するのではなく、キャッシュフローの波と借入の残存期間をセットで見ることが重要です。



例えば、次の点を一度リスト化してみると整理が進みます。



・借入ごとの金利タイプ
・適用金利の見直し時期
・返済方式(元利均等・元金均等など)
・元本返済のペースと設備投資・運転資金のピーク時期の整合性
・短期借入(当座貸越・手形貸付)への偏りの有無



金利が上がるほど、


「短期で回している分だけ負担が増える」構造


になりやすくなります。



つまり、枠の使い方そのものが問われる局面です。




返済を「早めるべきか」はキャッシュが決める



金利上昇の話を聞くと、



「とりあえず繰上返済した方がよいのでは」



と考えがちです。



しかし繰上返済は、手元資金を減らし、想定外の資金需要への耐性も同時に下げます。



黒字なのに資金繰りが苦しくなる会社の多くは、



利益とキャッシュのズレ



が原因です。



そのため繰上返済を検討する場合は、



・返済後も十分な運転資金が残るか
・金融機関との関係性を維持できるか



を先に確認する必要があります。



資金繰り表で



「返済を実行した場合の最低手元資金」



をシミュレーションしてから判断するのが基本です。




銀行との対話は「困る前」が効く



金利環境が変わるときほど、


・試算表
・資金繰り計画
・投資予定



といった前提条件を早めに共有し、返済計画や借入枠の組み替えを相談しておきたいところです。



条件変更や借換えは、手続きにも審査にも時間がかかります。



逆に言えば、



数字の根拠がそろっている会社ほど、建設的な対話が進みやすくなります。



なお、借入条件は金融機関の商品や審査方針、契約内容によって異なります。



自社に最適な組み合わせは、税理士や金融機関担当者と個別に確認してください。




まとめ



借入戦略は、金利の高低だけで決まるものではありません。



重要なのは、

・返済ペース
・借入枠の種類
・手元資金の余力
・投資タイミング


これらが一体となって、



「守れる資金構造」になっているかどうかです。



金利上昇は負担増のサインであると同時に、借入の棚卸しと資金繰りの精度を高めるチャンスでもあります。



いまの契約条件とキャッシュのズレを一度点検し、次の一手を具体的に描いてみてください。



公認会計士・税理士
畑中 外茂栄

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