2021年12月12日
カテゴリー:
経営理念(ミッション・ビジョン・カンパニースピリッツ・セルフイメージ)
目的と目的を達成するための手法は合致していますか?
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公認会計士・税理士
畑中 外茂栄です
2022年度税制改正が発表されました
日経より引用
事前にニュース等で出ている情報から
サプライズ的な内容は無いように感じました
まだ大綱の全てを全部読み終わってないので、
役に立ちそうな情報についてはまた発信していきます
今回の税制改正は作った側の自公政権は、
「良い内容になった」と発言していたが、
税に関わっている現場サイドとしては
やはりイマイチだなと感じます
「成長と分配の好循環」
今の政権が掲げる理念ですが、
1人の国民として、1人の経営者として
結局この理念がブレまくっているように感じます
何となく、誰が何を言っても揺るがないような、
大きな幹が無いように感じます
今回の目玉である賃上げ税制も、
税額控除の率を従来より引き上げて
法人側は一見恩恵があるようには見えます
ところがあくまで税額控除は税額控除
赤字決算や過去の繰越欠損金が残っている会社で
法人税が出ない会社には意味がありません
日本の会社は6割~7割が赤字と言われていて、
多くの会社のお困りごとは売上と資金繰りです
人件費は一度上げてしまえば
簡単に下げることはできませんし、
社会保険料などのコストも増えます
税理士の立場としての僕としても、
全てのクライアントの方に
「この制度を使って賃上げを行いましょう!」
とは言えませんね
もちろん要件を満たして恩恵があるところは
積極的に活用すべきだとは思います
賃上げを行うかどうかはあくまでクライアントの財務体質次第です
また今回の改正は少し異例なことがありました
規模が大きい会社※で、
賃上げや設備投資等に消極的な会社は別の制度である
研究開発費税制等が使えなくなる措置が折り込まれました
※ 資本金10億円以上かつ従業員1,000人以上の会社
理念の中に「成長」を掲げているなら、
なぜ企業が将来への投資として、
成長するために必要な研究開発に対して
ペナルティを設けるのかよくわかりませんね
言いたいこととしては、
「研究開発だけじゃなく賃上げも積極的にしてね」
ということだと思いますが、
研究開発は研究開発、賃上げは賃上げで別物だと思います
以前にも書きましたが、
特にスタートアップのベンチャー企業は
一番資金繰りがしんどい時に
研究開発費税制の恩恵を受けることができません
研究開発はまさに日本の産業にとって重要です
この辺りももう少し整備してほしいですし、
今回のようにペナルティで圧をかけていくようなことは
できるだけ止めて欲しいなとは思いますね
また今話題になっている10万円給付の件もそうですが、
結局のところ理念や目的が定まらず
ブレまくっているのが原因だと思います
目的が明確に定まっていれば手法も定まってきますし、
目的がブレまくっていれば手法もブレます
ビジネスでも、
トップが決めた目的がブレまくれば
現場サイドは混乱するだけです
目的の共有、そして目的を達成するための手法の確立が大切ですね
公認会計士・税理士
畑中 外茂栄