2025年8月25日

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経営判断の基準を作る考え方


作成する義務が無いのに、メリットがたくさん!資金繰り表とは?

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2,947日目 


公認会計士・税理士 

畑中 外茂栄です



売上があるのに資金が足りない…その原因、見えていますか?



事業を営む中小企業の経営者様からよくご相談いただくのが、



「黒字なのに手元に現金がない」

「月末の支払いが心配」



といった資金繰りに関する悩みです。

このような状況は、資金繰り表を使った日々の資金管理ができていないことに起因しているケースが多く見られます。



今回は、



「資金繰り表とは何か?」

「なぜ必要なのか?」

「どうやって使うのか?」



を、中小企業の経営者様向けにわかりやすく解説します。




資金繰り表とは?毎日の資金の流れを「見える化」する表



資金繰り表とは、会社の短期的な資金の出入り(入金・支払い)を一覧にまとめた管理表です。

1週間、1か月単位で資金の動きを把握することで、



「このままでは資金がショートする」

「来週の支払いに足りない」



といったリスクを事前に察知・対処することができます。



◼️ 資金繰り表で分かること



  • ・今月の支払いに必要な資金は足りているか?
  • ・売上の入金と支払いのタイミングにズレはあるか?
  • ・今後の資金繰りが厳しくなる時期はいつか?




中小企業に多い「資金ショートの原因」



中小企業では、次のような理由で資金繰りが悪化する事例が多く見られます。



◼️ 入金サイトと支払いサイトのギャップ



例えば、得意先の売上入金が「60日後」なのに、仕入先や人件費の支払いが「当月末払い」という場合、キャッシュのタイムラグが発生し、資金が一時的に不足する事態を招きます。



◼️ 売上増加=資金増とは限らない



売上が増えても、仕入や外注費も増加するため、実際の手元資金が増えないこともあります。このような場合も、資金繰り表を活用すれば、キャッシュフローの健全性を確認することができます。




資金繰り表の作り方(基本フォーマット)



資金繰り表は、エクセルや会計ソフトで簡単に作成できます。以下が基本的な構成です。

経営管理システム bixidより引用


これにより、資金の流れが明確に把握でき、

「どの週で資金が減るか」

「いつ融資や支払い調整が必要か」が一目で分かります。




ポイント



税務申告の際に、必ず提出しなければいけない書類が必ずあります。

決算報告書、勘定科目内訳明細書・・・といった書類です。

資金繰り表は、これら法律で作成が要求されているわけではありません。

資金繰り表は、資金を操ると書きます。

主体的に資金管理をするためにも、ぜひ資金繰り表を作成しましょう。





金融機関との信頼構築にも資金繰り表は有効



法律で作成が求められてはいませんが、銀行融資の必要書類として要求されることは多々あります。
資金繰り表をしっかりと整備し、定期的に提出することで、次のようなメリットがあります。

  • ・融資審査での信頼性向上
  • ・必要な時に迅速な対応が受けられる
  • ・経営改善計画の根拠資料として活用可能




資金繰り表は“経営の体温計”|日々の確認で健全経営へ



資金繰り表は、会社の健康状態を把握する経営の体温計のような存在です。
定期的にチェックすることで危機の芽を早期発見できます。



「勘」や「経験」ではなく、数字で判断する経営が求められる今、資金繰り表の導入は必須です。



クラウド会計ソフトやエクセルを使用し、無理なく導入できる体制をサポートします。

お気軽にお問合せください。



公認会計士・税理士 

畑中 外茂栄

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