2021年11月26日
カテゴリー:
自分自身でコントロールできる部分に最大限の労力を注ぎましょう
365日ブログ
1,579日目
公認会計士・税理士
畑中 外茂栄です
いやー、過去4年以上ブログを書き続けてきたわけですが・・・
誰かのために役に立つ記事を書く
その軸はブレずに運用にしてきました
そのため、
政治の批判は書かないようにしてきましたが、
先日の選挙も含めて最近の政治の動きには
違和感を感じずにいられません
「税」という仕組みに関わっている立場として
どうしても腑に落ちない点が多すぎます
今年の税制改正に向けて議論されている賃上げ税制
今ある税制より使いやすくすることで
企業が賃上げをすることを
後押しをすることが期待されています
「成長と分配の好循環を目指す」
今の自民党が目指す日本の姿ですが、
この賃上げ税制を中小企業を含めた
日本全体の会社で実現するのは厳しいでしょう
そもそも給料を上げる前に必要なことがあります
売上を上げる
出発点はここです
売上-経費=利益
企業は売上を上げて必要な粗利を稼ぎ、
そこから必要な固定費を支払い利益が残ります
そして利益から必要な税金を支払い、
銀行の返済などを支払っていき
ようやく内部留保として自分のお金が残ります
特に中小企業ではこの経済状況で
以前のような売上に戻っていない会社は山ほどあります
ましてや日本の会社の6割~7割は赤字の会社で、
赤字の場合にはこの賃上げ税制は使用することができません
賃上げ税制は税額控除で、
税金支払っている場合に一定金額を控除する仕組みで
赤字の会社には効果がありません
また給料を上げれば、
社会保険料や雇用保険料も上昇します
今後も先行きが不透明な中で、
すべての固定費上昇分を税制だけで
カバーすることは難しいでしょう
また春闘で企業に
「3%程度の賃金上昇を期待する」
という言い方も違和感があります
企業に賃金上昇を促すこと気持ちもわかりますが、
政府主導で可処分所得を増やすことは100%できます
所得税の税率を一定期間下げる
消費税の税率を一定期間下げる
社会保険料や国保等の負担を一定期間下げる
賃上げ税制の要件など、
より使いやすくすることは賛成ですが、
これで成長と分配の好循環が実現できるのかは疑問ですね
今日の日経で、
この30年間で諸外国の賃金は上昇しているのに
日本の賃金は30年間横ばいという記事を見ました
会社が成長していないから、賃金は変わらない
まさに「失われた30年間」という言葉通りです
何でもいいですが、
1国民としてより日本が元気に、
豊かになるような本当に効果的な政策を期待したいところです
そして自社としては企業努力として怠らないこと
自分自身でコントロールできる部分に
最大限の労力を注いでいきたいと思います
公認会計士・税理士
畑中 外茂栄