2019年8月13日

カテゴリー:

消費税


「駆け込み需要」に関係したセールストークは自社に与える影響を冷静に見極めよう

365日ブログ

743日目

 

短期でキャッシュフローを改善し、

経営者のビジョンと願望実現を支援

 

財務戦略の専門家

畑中 外茂栄(はたなか ともえ)です

 

 

先週、

とある業者の方が営業で来社されました

 

 

その中で気になる言葉があったのですが、

 

「9月中までに購入をされれば、

消費税が8%になってお得になる」

 

こんなことを言っていたんですね

 

 

 

ご存知の通り消費税の増税が

2019年10月から開始されます

 

 

増税前に購入することで支出を少なくする

駆け込み需要という言葉があります

 

 

一般消費者の場合であれば、

増税前に購入することで支出を

抑えることできるメリットがあります

 

 

一方で、

事業者の場合はどうでしょうか?

 

 

事業者の場合、

駆け込み需要をすることで

まったく関係ない事業者もいれば

得をする事業者もいます

 

 

 

1.消費税の原則課税(8%)  

 

 

まず簡単に、

消費税の計算方法をおさえておきましょう

 

 

消費税は、

預かった消費税から

支払った消費税の差額を納めます

 

 

1個100円の商品を仕入れをして、

1個200円で販売した場合を考えてみましょう

(※消費税以外の法人税等は割愛します)

 

【売上も仕入も消費税8%】

・商品の売上  200円→税込み 216円で通帳に入金(預った消費税16円)

・商品の仕入  100円→税込み 108円で通帳から支払い(支払った消費税8円)

 

【利益】

売上 200円  –  仕入 100円 =  利益 100円

 

【決算の時に納付する消費税】

預かった消費税16円 –  支払った消費税8円=8円

 

通帳の中には消費税を納付した後には、

利益の100円のみ残っている状態になります

 

 

これが消費税計算のイメージです

 

 

2.増税前に仕入をした場合 

 

 

次に、

駆け込み需要に乗っかった場合

考えてみましょう

 

 

売上は消費税10%

仕入は消費税8%で計算をします

(※変わった部分を太文字にします)

 

【売上は消費税10%、仕入は消費税8%】

・商品の売上  200円→税込み 220円で通帳に入金(預った消費税20円

・商品の仕入  100円→税込み 108円で通帳から支払い(支払った消費税8円)

 

【利益】

売上 200円  –  仕入 100円 =  利益 100円

 

【決算の時に納付する消費税】

預かった消費税20円 –  支払った消費税8円=12円

 

利益は100円のままで変わらないのに、

消費税納付の金額が12円と増加(+4円)しました

 

 

通帳の中には消費税を納付した後には、

利益の100円のみ残っている状態なので

こちらも変わりません

 

 

3.増税後に仕入をした場合 

 

 

次に、

駆け込み需要に乗らなかった場合

考えてみましょう

 

 

売上は消費税10%

仕入は消費税10%で計算をします

(※変わった部分を太文字にします)

 

【売上は消費税10%、仕入は消費税10%】

・商品の売上  200円→税込み 220円で通帳に入金(預った消費税20円

・商品の仕入  100円→税込み 110円で通帳から支払い(支払った消費税10円)

 

【利益】

売上 200円  –  仕入 100円 =  利益 100円

 

【決算の時に納付する消費税】

預かった消費税20円 –  支払った消費税10円=10円

 

こちらは

利益は100円のままで変わらないのに、

消費税納付の金額が10円なりました

 

 

通帳の中には消費税を納付した後には、

利益の100円のみ残っている状態なので

こちらも変わりません

 

 

4.原則課税は影響なし 

 

このように消費税の増税前後でも

消費税の原則課税を行っている場合は

利益に影響はありません

 

 

利益に影響が無いということは、

損得は関係ないということです

 

 

上で見たように、

どのタイミングで購入しようが

最終的に残っている通帳残高は100円になります

 

 

5.得をする事業者      

 

 

基本的には上記のように、

原則課税の事業者は影響ありませんが、

一方で得をする事業者もいます

 

1つは、

消費税の納付義務が無い

課税売上が1,000万以下の免税事業者

 

 

もう1つは

納付義務はあるものの

売上5,000万以下で簡易課税

採用している事業者です

(※預かった消費税から簡便的に計算する方法)

 

簡易課税のイメージは下記の記事をご覧ください

 

【小さな会社限定】消費税を合法的に削減する方法~売上5千万円以下の会社は 簡易課税で消費税を節税する~

 

この2つに関しては、

増税前に購入することで

支出を削減することができます

 

 

6.結論         

 

 

一般消費者の場合は消費税は

ダイレクトに影響を与えますから

増税前に購入することで

お得になるケースが多いかと思います

 

 

一方で事業者の場合は、

 

自社が消費税の納付義務があるかどうか

納付義務がある場合どの計算方法を採用しているか

 

この2つで消費税の影響が無い場合もあれば、

消費税増税前に購入することで

お得にケースもあります

 

 

事業者の場合は自社に与える影響を

冷静に見極めて判断をしていきましょう

 

 

短期でキャッシュフローを改善し、

経営者のビジョンと願望実現を支援

 

財務戦略の専門家

公認会計士・税理士

畑中 外茂栄

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