2026年3月11日

カテゴリー:

出口戦略と財務戦略


事業譲渡と株式譲渡の違い


公認会計士・税理士 

畑中 外茂栄です。 



会社や事業を引き継ぐ方法として、よく比較されるのが「事業譲渡」と「株式譲渡」です。



どちらもM&Aや事業承継で使われる手法です。



事業譲渡は、「事業」を選んで譲る方法です。



一方、株式譲渡は、「会社そのもの」を引き継ぐ方法です。



■事業譲渡の特徴



事業譲渡の特徴は、引き継ぐ範囲を選びやすいことです。



売り手は特定の事業だけを切り出して譲ることができ、買い手も必要な事業や資産を選んで取得できます。



たとえば、不採算部門だけを切り離したい場合や、買い手が特定の事業だけを取得したい場合には、事業譲渡が向いています。



不要なものを含めずに承継しやすい点は大きなメリットです。



リスクを整理しやすく、買い手にとっても判断しやすい手法といえます。



ただし、手続きは簡単ではありません。



取引先との契約、従業員の雇用、許認可などは自動的に引き継がれるとは限らず、個別の対応が必要になることが多いからです。



そのため、実務上の負担は重くなりやすく、準備にも時間がかかります。



■株式譲渡の特徴



株式譲渡は、会社そのものを引き継ぐ方法です。



株主が変わることで経営権が移転しますが、会社自体はそのまま存続します。



契約関係、従業員との雇用関係、許認可などが維持されやすく、手続きは比較的シンプルです。



中小企業のM&Aで株式譲渡が多く使われるのは、この進めやすさがあるからです。



ただし、シンプルである反面、注意点もあります。



買い手は会社の良い部分だけでなく、過去の問題や見えにくいリスクも含めて引き継ぐことになるためです。



たとえば、簿外債務や偶発債務といった、表面上は見えにくい負担を抱える可能性があります。



■どちらを選ぶべきか



必要な事業だけを選んで引き継ぎたいなら事業譲渡、会社を丸ごとスムーズに引き継ぎたいなら株式譲渡というのが基本的な考え方です。



もっとも、実際にどちらが適しているかは、単純には決められません。



財務内容、許認可の有無、従業員の承継、税務コストなどによって、最適な方法は変わります。



大切なのは、名称やイメージだけで判断しないことです。



M&Aや事業承継では、自社の目的と状況に合った方法を選ぶことが重要です。



税務・法務・実務の視点を踏まえて、専門家と一緒に検討することが成功への近道になります。



公認会計士・税理士 

畑中 外茂栄

  • 【無料診断】ドンブリ経営レベル5段階
  • 【無料メール講座】7日で学ぶ!ドンブリ経営から脱却するための最初の一手
  • 【1on1個別セッション】会社の経営数字について学ぶ!

月別記事

MONTH