2026年3月8日

カテゴリー:

事業承継


親族外承継は、なぜ難しいのか?


公認会計士・税理士 

畑中 外茂栄です。 



昨日は親族外承継(従業員承継)の準備を進めている方との打ち合わせでした。



事業承継というと「息子(娘)に継がせる」が王道に見えます。


一方で、幹部社員や第三者へ引き継ぐ親族外承継は、理屈では合理的でも、現場では一気に難易度が上がります。



私の周りの専門家からも、

親族外承継は難しいと聞きますし、

私も実際の現場で難しさを感じています。






1. 最大の壁は「株式」と「資金」



親族内なら「相続」「贈与」で整理しやすい一方、親族外は売買が前提になります。



会社の株価が高いほど、後継者は買い取り資金の用意が必要になります。



まず、買い取り資金を用意できるかどうかのハードルがあります。



銀行から借りるという方法もありますが、

買取り金額は大きくなれば、借りることも難しくなります。




2. 次に難しいのは「見えない資産」の承継



先代社長の信用、取引先との関係、社員の納得感などは、

属人的な部分のため簡単に引き継ぐことはできません。


親族なら「血縁」という分かりやすい理由で受け入れられる場面がありますが、
親族外承継の場合より時間をかけて構築していく必要も出てくるかもしれません。




3. 権限移譲のタイミングが一番揉める



先代に依存しすぎると後継者は育ちません。



しかし、急に任せると現場が混乱します。



この中途半端な二重権力の期間が長引くと、



  • ・社内政治が起きる
  • ・現場の意思決定が止まる
  • ・優秀な人ほど離れる



という流れになりやすくなります。




4. 最後は「先代の感情」がブレーキになる



「自分の会社を他人に渡す」ことへの抵抗は、想像以上に強く残ります。



また、緊急性が無いテーマだからこそ、後回しになりがちです。



だから親族外承継は、制度より先に心理の整理が必要になります。



そのためには対話が不可欠です。




まとめ:成功のカギは4つ



親族外承継を成功させるポイントは次の4点です。



  1. 1.株式と資金の設計(買い取り方法・資金調達)
  2. 2.後継者の正当性の言語化(なぜその人か)
  3. 3.権限移譲の工程表(いつ・何を・誰に渡すか)
  4. 4.先代との対話(具体的な話を決める)



個人的にも、親族外承継は他の方法に比べて難易度は上がると感じています。



血縁関係が無いからこそ、慎重に、丁寧に進めて行きたいテーマです。


公認会計士・税理士 

畑中 外茂栄

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