2018年1月16日
カテゴリー:
知識0からわかる仮想通貨の確定申告➂~取得価額とマメ知識~
365日ブログ
169日目
公認会計士・税理士
畑中 外茂栄です
2017年12月1日に国税庁が
”仮想通貨に関する所得の計算方法等について”を公表しました
先日からこの資料について
解説しています
今日の目次は下記です
取得価額の2つの考え方は
儲けを算定する上で大切です
今日大切なのは1と2です
1.仮想通貨の取得価額について
儲けを考える上で基本的な考え方は、
ペットボトルのドリンクを
100円で仕入れて200円で売る
Q4 仮想通貨を追加で購入しましたが、取得価額はどのように計算すればよいですか。
(1年間の仮想通貨の取引例)
3月9日 2,000,000円(支払手数料を含む。)で4ビットコインを購入した。
5月20日 0.2 ビットコイン(支払手数料を含む。)を 110,000円で売却した。
9月28日 155,000円の商品購入に 0.3 ビットコイン(支払手数料を含む。)を支払った。
11月2日 他の仮想通貨購入(決済時点における他の仮想通貨の時価 600,000円)の決済に 1 ビットコイン(支払手数料を含む。)を支払った。
11月30日 1,600,000円(支払手数料を含む。)で2ビットコインを購入した。
—
A 4 同一の仮想通貨を2回以上にわたって取得した場合の当該仮想通貨の取得価額の算定方法としては、
移動平均法を用いるのが相当です
–
(ただし、継続して適用することを要件に、総平均法を用いても差し支えありません。)。
–
① 移動平均法を用いた場合の1ビットコイン当たりの取得価額
上記(例)の場合の1ビットコイン当たりの取得価額は、
次の計算式のとおり3月9日時点で 500,000 円、11 月 30 日時点で 633,334 円です。
–
○3月9日に取得した分の1ビットコイン当たりの取得価額
2,000,000 円÷4BTC=500,000 円/BTC
~3月 10 日から 11 月 30 日までの間に 1.5BTC を売却又は使用~
–
○11月30 日の購入直前において保有しているビットコインの簿価
この時点での1ビットコイン当たりの取得価額500,000 円 × この時点で保有しているビットコイン(4BTC-1.5BTC)= 1,250,000 円
~11月30 日に2BTC を購入~
–
○11月30 日の購入直後における1ビットコイン当たりの取得価額
この時点での保有しているビットコインの簿価の総額(1,250,000 円+1,600,000 円) ÷ この時点で保有しているビットコイン(2.5BTC+2BTC) = 633,334 円
–
※取得価額の計算上発生する1円未満の端数は、切り上げして差し支えありません。
–
② 総平均法を用いた場合の1ビットコイン当たりの取得価額
–
上記(例)の場合の1ビットコイン当たりの取得価額は、次の計算式のとおり600,000 円です。
1年間に取得したビットコインの取得価額の総額(2,000,000 円+1,600,000 円) ÷ 1年間に取得したビットコイン(4BTC+2BTC ) = 600,000 円/BTC
①移動平均法は、その都度買った値段を正確に算定する考え方
②総平均法は年間で買った値段をザックリと算定する考え方
です
①の場合だと買った値段は
3月9日時点で 500,000 円、
11 月 30 日時点で 633,334 円
と変化します
②の場合だと買った値段は
600,000 円
と年間で固定されます
理解をしようとすると
最初は混乱してしまうかもしれません
なお実務的により
簡単なのは総平均法です
大量に売買している場合には
こちらの方法で申告する方が
多いと予測されます
よくわからない、
難しいと思った方も
いらっしゃると思いますが、
ここで皆様にお伝えしたい点は2つです
買った値段に対して2つの考え方がある
どちらかの考え方を採用するで儲けの額が変わる
この2つを押さえていただきたいと思います
2.損失の取り扱いについて
今までは儲かった場合を中心に
解説してきました
今回は仮想通貨で損をした場合です
Q7 仮想通貨の取引により、雑所得の金額に損失が生じました。この損失は、給与所得等の他の所得と通算することができますか。
–
A7 雑所得の金額の計算上生じた損失については、雑所得以外の他の所得と通算することはできません。
所得税法上、他の所得と通算できる所得は、不動産所得・事業所得・譲渡所得・山林所得とされています。
雑所得については、これらの所得に該当しませんので、その所得の金額の計算上生じた損失がある場合であっても、他の所得と通算することはできません。
必ず専門家に確認をしましょう
3.仮想通貨の証拠金取引について
Q8 仮想通貨の証拠金取引については、外国為替証拠金取引(いわゆるFX)と同様に申告分離課税制度の対象となりますか。
A 8仮想通貨の証拠金取引による所得については、申告分離課税の適用はありませんので、総合課税により申告していただくことになります。
ご質問の外国為替証拠金取引(いわゆるFX)は、金融商品取引法に規定する取引であり、租税特別措置法の「先物取引に係る雑所得等の課税の特例」の規定により、申告分離課税の対象とされています。
仮想通貨の 証拠金取引については、
4.仮想通貨のマイニング等について
こちらはほとんどの方は関係が無い話なので、
Q9 仮想通貨をマイニングにより取得した際の所得の計算方法を教えてください。
A 9いわゆる「マイニング」(採掘)などにより仮想通貨を取得した場合、その所得は、事業所得又は雑所得の対象となります。
この場合の所得金額は、収入金額(マイニング等により取得した仮想通貨の取得時点での時価)から、必要経費(マイニング等に要した費用)を差し引いて計算します。
日本には円
アメリカにはドル
貨幣や硬貨があります
取引データに不正が無いか
検証するイメージですね
マイニングは金鉱山における採掘のことです
金鉱山の金が仮想通貨に
たとえられているようです
このマイナー(採掘者)は
維持管理という対価として
仮想通貨が得られる場合があります
この場合には事業所得か雑所得で
申告することが明記されました
一般の方はほぼ関係ない話ですね
5.今日のまとめについて
今回で上記の国税庁の資料、
9つのQ&Aは全て解説できました
しばらくは手さぐり感は強いと思いますが、
この公表された計算方法に沿って
確定申告を進めていくことになります
基本的なところを間違えてしまうと、
税務署から指摘を受ける可能性があります
確定申告をされる際には、
事前に入念にご検討をおススメします
※2018年1月現在の情報により作成しております。
様々なパターンが考えられるため、
確定申告の際で迷った際には、
必ず税理士の方から見解をご確認ください。