2025年10月23日

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成果を出す考え方


暗黙知の可視化 ― 経営の“勘と経験”を共有しましょう

365日ブログ 

3,006日目 


公認会計士・税理士 

畑中 外茂栄です。



企業には、

「マニュアルには載っていないけれど、現場で当たり前に行われている知恵」が数多く存在します。


これがいわゆる暗黙知です。


ベテラン社員の判断力、社長の意思決定の勘、取引先との信頼構築のコツ——どれも企業の競争力そのものですが、形式知化されていないがゆえに、人が抜けた瞬間に消えてしまうというリスクを抱えています。




1. 暗黙知を放置するリスク



  • ・担当者の異動・退職でノウハウが失われる
  • ・同じミスを繰り返す(再現性の欠如)
  • ・成長のスピードが人によってバラつく
  • ・経営の「勘」が属人的になり、後継者に引き継げない



経営者自身の“経験値”もまた暗黙知の塊です。


それを可視化できるかどうかが、事業承継・組織拡大の成否を分けるポイントになります。




2. 暗黙知を可視化する3つのステップ



① 言語化(WhyとHowを言葉にする)


「なぜこの判断をしたのか」「どんな条件でこう動くのか」を、会話やメモ、議事録として残す。
「なぜ?」を繰り返すと、経験則が“ルール”に変わります。



② 見える化(ツール・図解で整理する)


社内Wiki、Notion、スプレッドシートなどを活用して、手順・判断基準を一元管理。
フローチャートやマインドマップで整理すれば、属人化が解けます。



③ 習慣化(日常業務で共有する)


仕組み化は一度で終わりません。
朝会・週報・面談など、定期的な共有サイクルを設けることで、知識が組織文化として定着します。




3. 可視化の目的は「人を縛る」ではなく「人を活かす」



暗黙知の可視化は、「自由を奪うマニュアル化」とは正反対です。


むしろ、**全員が同じ土台で考えられるようにするための“知の共有”**です。


その土台があるからこそ、創造性が生まれ、次世代リーダーが育ちます。




4. 税理士事務所・コンサル業でも同じ



私たちのような専門職の世界でも、
「お客様との雑談の中で引き出すニーズ」や「金融機関への説明のツボ」など、マニュアル化できない力が業績を支えています。


それを見える化し、チームで共有できるかが、強い事務所づくりの鍵です。




まとめ:経験を資産に変える経営へ



暗黙知を可視化するというのは、単なる効率化ではありません。


それは、企業が持つ“人の知恵”を、次世代に引き継ぐための投資です。


「人に頼る」経営から、「知に頼る」経営へ。


あなたの会社の経験を、未来の資産に変えていきましょう。

 


公認会計士・税理士 

畑中 外茂栄

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