2018年9月11日
カテゴリー:
売上が上がっても下がっても資金繰りがきつくなる理由と対策
365日ブログ
407日目
短期でキャッシュフローを改善し、
経営者のビジョンと願望実現を支援
財務戦略の専門家
畑中 外茂栄(はたなか ともえ)です
今日はご相談内容が多い、
資金繰りの話です
今回は売上が上がっても下がっても
手元の資金が少なくなる可能性があるということ、
そしてその対策について知っていただきたいと思います
お金のブロックパズルで説明をします
お金のブロックパズルは
会計的には2割の知識に絞り込み、
経営判断に必要な8割のことを
理解できるようになるツールです
引用:お金のブロックパズル
超どんぶり経営のすすめ
著者 和仁 達也 様
1.売上が上がった時に資金繰りがきつくなる理由と対策
(1)理由:
主な要因は変動費です
(※固定費も関係していますが、
わかりやすさを重視しているため今回は省略しています)
お金のブロックパズルでいえば
下記のオレンジ色の部分です
変動費とは、
売上に応じて変動する費用です
上記の例は売上が100円、
変動費が20円の例です
例えば、
飲食店であれば食材の仕入
小売店であれば商品の仕入
建設業であれば下請企業への外注費などが該当します
売上が倍の200円になれば
変動費も倍の40円になります
問題は入金サイト(期間)と
支払サイト(期間)のズレです
現金商売以外の業種は一般的に経費の支払が先行し、
入金が後になるケースが場合が多い思われます
例えば、
9月分の売上は2ヶ月後の11月に入金
9 月分の経費は1ヶ月後の10月に支払
このように支払が先行し入金が後になる場合には
売上が上がっても手元の資金が全然ない
このようなことが起こります
(2)対策
手元の資金を厚くしていくためには、
入金を早く、支払を遅くさせることです
そのため入金サイトと支払サイトが一致するように
業者の選定や交渉をしていきます
またこの場合は一時的に資金が不足している状態です
タイミングのズレはありますが、
利益が出ていれば必ず現金は生まれます
そのため一時的な資金不足を補うためには
銀行からの借入です
この場合の資金使途を運転資金といいます
運転資金で調達するときは、
一時的な資金不足の理由を軸に
交渉を進めていきましょう
2.売上が下がったときに資金繰りがきつくなる理由と対策
(1)理由
主な要因は固定費です
お金のブロックパズルでいえば
下記のオレンジ色の部分です
固定費とは、
売上に関係なく発生する費用です
上記の例は人件費が40円、
その他経費が30円の例です
人件費の例は、
役員報酬、給料
社会保険料、福利厚生費の支払です
その他の経費は
事務所家賃やリース料、
保険料等の支払です
変動費は売上に応じて発生する費用なので、
売上が0だと発生しません
一方で固定費は売上の大小に関係なく
必ず発生する費用です
売上の減少と粗利の減少に伴い、
固定費の負担が大きいために
手元の資金が薄くなります
(2)対策
まずは売上の減少が一時的な理由か
恒常的な理由によるものか精査をしていきましょう
例えば、
売上の減少が季節変動的なものであれば
一時的な理由ですが、
業界の構造や取引先の倒産等などの場合は
恒常的な理由の可能性があります
前者の場合は自己資金が足りなければ
1のように銀行の借入で
カバーするのも1つの手です
後者の場合だと、
逆に銀行の借入でカバーするのは危険な可能性があります
銀行からの借入は
税引後利益+減価償却費から返済をしていきます
つまり慢性的な赤字の場合などの場合には
銀行からの借入に頼ってしまうと
一瞬は楽に感じる場合がありますが、
後々苦しくなります
この場合は借入に頼るのではなく、
売上アップの対策や固定費の見直しが必要になってきます
売上アップの対策は、
製品別・商品別・部門別に
売上高や粗利の推移を把握できれば
原因を特定しやすくなります
原因を特定できれば、
単価・数量・リピート率の
各要素ごとに改善をしていきましょう
あるいはセールスミックス(商品の販売組み合わせ)を変えるなり、
利益率の高い商品の売り方を考えるのも手です
3.まとめ
一見するとどちらもお金が無い状態には変わりは無く見えますが、
原因となっている理由と対策はそれぞれ明確に違います
特に安易に銀行からの借入に頼ってしまうと
後々に厳しくなることが考えられます
まずは適切な状況把握、
そして対策をしていきましょう
下記の記事でいえば、
1~4の事業計画で具体的な対策を打ち出していきましょう
本日もお忙しい中お読みいただき、
どうもありがとうございました
短期でキャッシュフローを改善し、
経営者のビジョンと願望実現を支援
財務戦略の専門家
公認会計士・税理士
畑中 外茂栄