2025年12月18日

カテゴリー:

出口戦略と財務戦略


後継者が決まらない会社の「財務の整え方」


公認会計士・税理士 

畑中 外茂栄です。 



「後継者がいないから、まだ何もしなくていい」と考えていませんか?



実は、後継者が決まっていない時期こそ、財務基盤を磨き上げる絶好のタイミングです。



財務が整っている会社は、親族内承継であれ、第三者へのM&Aであれ、非常に高い評価を得られます。







1. 財務を整えることが「出口戦略」の鍵になる



多くの中小企業が直面する「後継者不在」の課題。しかし、財務状況をクリアにしておけば、いざという時の選択肢は格段に増えます。



  • 親族・社員承継の場合: 引き継ぐ側の心理的・経済的ハードルが下がる。
  • M&A(第三者承継)の場合: 企業価値が上がり、好条件での売却が可能になる。




2. 実践!財務を整えるための3ステップ



ステップ①:帳簿の見える化(現状把握)



財務整備の第一歩は、「月次決算」の徹底です。 年1回の決算だけでは、経営の舵取りはできません。月次で損益計算書(P/L)と貸借対照表(B/S)を確定させることで、以下の項目を明確にします。



  • 売掛金・買掛金の滞留チェック
  • 適正な在庫管理
  • 使途不明金の排除



まずは「数字がリアルタイムで見える状態」を作りましょう。



ステップ②:資産の棚卸し(真の価値を知る)



次に、帳簿上の数字と実態を一致させます。特に「隠れ資産」や「不良資産」の整理が重要です。



  • 遊休資産の処分: 使用していない機械や不動産は売却・整理を検討する。
  • 債権の整理: 回収不能な売掛金は貸倒処理を行い、実態に即した内容にする。
  • 私的資産の切り離し: 経営者個人の資産と会社の資産を明確に分ける。



ステップ③:負債の整理(リスクの可視化)



後継者や買い手が最も懸念するのは、簿外債務、つまりは「目に見えない負債」です。



  • 借入状況の一覧化: 返済スケジュール、金利、担保設定を整理。
  • 個人保証の確認: 経営者による連帯保証の範囲を正確に把握する。
  • 退職給付引当金や資産除去債務などの計上: 将来発生する支払いに備えているかを確認。




3. まとめ:今日から「月次決算」の精度を上げよう



後継者が決まらない不安を解消するには、まず自社の「磨き上げ」から始めるのが近道です。



  1. 帳簿を見える化する
  2. ・資産を身軽にする
  3. ・負債をクリアにする



この3ステップを回すことで、会社は「誰かに引き継ぎたい魅力的な組織」へと変わっていきます。



まずは今月の月次決算を1日早く締めることから始めてみませんか?


公認会計士・税理士 

畑中 外茂栄

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