2026年2月2日
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M&Aの表明保証契約とは?知っておきたい基礎知識
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公認会計士・税理士
畑中 外茂栄です。
M&A(企業の合併・買収)を進める際、必ず登場するのが「表明保証」です。
聞き慣れない言葉かもしれませんが、取引の安全性を担保するうえで欠かせない仕組みです。
この記事では、表明保証の基本をわかりやすく整理します。

表明保証とは
表明保証とは、M&Aにおいて売主が買主に対し、対象会社の状況(財務・税務・法務など)について「事実に相違ない」と約束する条項です。
例えば、次のような内容が典型です。
・未払いの税金(租税公課)がない- ・重大な訴訟・紛争が存在しない
- ・決算書・財務諸表が適正に作成されている
なぜ必要なのか
買主は、限られた期間のデューデリジェンス(DD)で、対象会社のすべてを完全に把握することはできません。
表明保証は、DDで拾いきれないリスクを補完するセーフティネットとして機能します。
もし表明保証の内容が虚偽だった場合、買主は売主に対して損害賠償(補償)を請求できるのが一般的です。
これにより、売主側には正確な情報開示を行う動機が生まれます。
表明保証保険の活用
近年は「表明保証保険」の活用も増えています。
これは、表明保証違反が発生した際の損害を保険会社が補償する仕組みです。
・売主:取引後の偶発債務リスクを抑えやすい- ・買主:回収可能性(補償の確実性)を高めやすい
- ・双方:交渉の落としどころを作りやすく、クロージングまでが速くなることがある
注意すべきポイント
表明保証条項では、特に次の論点が重要です。
・補償上限額(キャップ):賠償(補償)額の上限をどう設定するか- ・存続期間(サバイバル):表明保証の責任をいつまで負うか
- ・サンドバッギング条項:買主が「知っていた問題」でも請求できるか(できないか)
まとめ
表明保証は、M&Aにおける情報の非対称性を埋め、取引の安全性と公正性を確保するための重要な仕組みです。
売主・買主ともに条項の意味とリスク配分を正しく理解し、補償範囲・上限・期間などの条件を詰めることが、M&Aを成功させる土台になります。
公認会計士・税理士
畑中 外茂栄





