2025年9月22日
カテゴリー:
後継者育成のカギは「心・体・知」。人的承継のポイントとは?

365日ブログ
2,975日目
公認会計士・税理士
畑中 外茂栄です。
中小企業の事業承継で大切なのは、「人をどう育てるか」。
資金や制度の準備も必要ですが、会社を実際に動かすのは人です。
特に後継者がしっかりと成長できるかどうかが、承継の成否を左右します。
今回は、後継者育成で意識したいポイントを「心・体・知」という3つの視点から整理してみました。

1. 会社を動かすのは「人の感情」
経営の現場では、理屈よりも「人の感情」が大きく影響します。
従業員の共感や信頼がなければ、どんなに良い戦略も机上の空論になりがちです。
だからこそ後継者には、心理的な配慮や伝え方の工夫が必要です。
単に指示を出すのではなく、「どうすれば人が気持ちよく動いてくれるか」を意識することが大切です。
2. 後継者育成に欠かせない「心・体・知」
経営者として成長していくには、3つの要素をバランスよく身につけることが必要です。
・心:困難を乗り越える覚悟と自覚- ・体:リーダーとして必要な考え方や行動習慣
- ・知:財務・人事・戦略など経営に必要な知識
この3つを少しずつ鍛えていくことで、後継者は一人前の経営者に近づいていきます。
3. 「守・破・離」で学ぶ経営スタイル
日本の武道や茶道にも通じる「守・破・離」という考え方は、後継者育成にも役立ちます。
・守:まずは現経営者のやり方をしっかりと学び、真似る- ・破:自分なりの工夫を加えて、型を少しずつ破っていく
- ・離:最終的には独自のスタイルを作り上げる
いきなりオリジナリティを求めるのではなく、まずは「守る」ところから始めるのがポイントです。
4. 経営判断の軸を伝える
後継者に引き継ぐべきものは、知識やノウハウだけではありません。
・短期の利益よりも長期の成長を大事にするのか- ・大義や理念を優先するのか
- ・現場を重視するのか
こうした「判断の軸」を共有することが、企業文化を引き継ぐことにつながります。
まとめ
事業承継は「制度」や「お金」の話も大切ですが、最終的には「人の成長」がカギを握ります。
・感情に寄り添うリーダーシップ- ・「心・体・知」を意識した育成
- ・「守・破・離」の学び方
- ・経営判断の軸の共有
大切なことは実践です。
これらを実践を通じて、後継者としての準備を進めていきましょう。
公認会計士・税理士
畑中 外茂栄