2019年12月17日
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赤字会社を買収(M&A)して節税効果は期待できるのか?
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短期でキャッシュフローを改善し、
経営者のビジョンと願望実現を支援
財務戦略の専門家
畑中 外茂栄(はたなか ともえ)です
法人税の中で、
過去の赤字の部分を繰り越して
将来の黒字の相殺できる
繰越欠損金という制度があります
赤字が生じたタイミングにもよって
最大で繰り越せる期間は変わってくるのですが、
現行だと最高で
10年間
繰り越すことができます
昔は7年間だったのですが、
改正・改正でかなり繰り越せる期間が伸びました
単純に考えれば将来支払う税金が減るので、
簿外の資産
のように感じますね
先日お客様からご相談があったのですが、
「休眠会社を買収して、
そこに残っている欠損金を利用することは可能なのか?」
というご相談を受けました
たしかに新規事業を始める上でも、
赤字会社を買い取って事業を始めたり、
既存の会社の事業譲渡をすることができれば、
節税効果が期待できそうですね
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ところがこのように考えている方は要注意です
このような場合には
繰越欠損金の利用に制限がかかる可能性があります
これは、
「特定株主等によって支配された
欠損等法人の欠損金の繰越しの不適用」
という制度です
上記のような租税回避を防ぐ趣旨ですね
細かい話はいくつかあるのですが、
規制が入る主なシチュエーションは
・事業を営んでいない休眠会社の買い取り
・買い取ったあとに人が大量の離職 ※
※会社の役員がすべて退任し、
使用人(従業員)が20%以上いなくなる
箱だけの会社を買い取ったり、
買い取った後にガラッと人が
辞めてしまうような場合ですね
※
ほかにも該当するケースはありますので、
事前に要件等を必ずご確認ください
場当たり的に会社を買い取る、
ということはおそらく無いと思いますが、
要件によっては期待していた効果が
見込めない場合があります
必ず専門家に事前に確認をしていきましょう
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財務戦略の専門家
公認会計士・税理士
畑中 外茂栄