2025年11月24日

カテゴリー:

経営判断の基準を作る考え方


資金繰り悪化時に陥りやすい「売上至上主義」の落とし穴


公認会計士・税理士 

畑中 外茂栄です。 



資金繰りが苦しくなると、「売上を増やさなければ」という焦りから、採算を度外視した値引きや赤字受注を増やしてしまうことがあります。



しかし、売上の増加が必ずしもキャッシュの増加につながるわけではありません。



典型的なNG行動



  • 利益の出ない価格で受注する
    粗利が薄い、あるいは赤字の案件を増やすと、忙しくなる一方で資金は減少します。

  • 回収サイトの長い取引を増やす
    支払いが先行し、入金が遅れる取引が増えるほど運転資金が圧迫されます。
  • 在庫リスクの高い案件を受ける
    売上が立つ前に資金が流出し、売れ残りや値崩れのリスクも抱えます。

これらは売上を押し上げても、資金繰りを悪化させやすい行動です。



「忙しいのにお金が残らない会社」は、この構造にはまっているケースが多く見られます。




取るべき対応



  • 粗利益率とキャッシュフローで案件を区別する
    「儲かる仕事」と「そうでない仕事」を明確に整理し、売上ではなく粗利と入金条件で判断します。


  • 採算の合わない取引や値引き要請は断る
    資金繰り悪化時ほど、不採算取引を継続しない決断が必要です。


  • ・利益率と入金条件の良い案件に集中する
    限られた資金と人員を、収益性と回収条件の良い仕事へ優先配分します。




まとめ



資金繰りが厳しい局面で売上だけを追うと、かえってキャッシュが減り、状況が悪化する恐れがあります。


重要なのは、売上ではなく「粗利」と「回収条件」を軸に経営判断を行うことです。これが資金繰り立て直しの基本となります。



公認会計士・税理士 

畑中 外茂栄

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