2025年11月22日
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新米社長が最初の1年で身につけたい「お金の習慣」7選
365日ブログ
3,036日目
公認会計士・税理士
畑中 外茂栄です。
会社を立ち上げて最初の1年は、
営業、採用、現場対応…と毎日バタバタで、
つい「お金の管理」は後回しになりがちです。
ですが、1年目にどんなお金の習慣を持つかで、3年後の資金繰り・税金・銀行評価は大きく変わります。
逆にここを曖昧にしたまま売上だけ伸びると、
・黒字なのに資金繰りが苦しい- ・税金が払えない
- ・銀行からお金を借りられない
という状態になりかねません。
今日は「これだけは押さえておきたい」という
新米社長向けの“お金の習慣”を7つに絞ってお伝えします。

1. 「会社のお金」と「社長の財布」を完全に分ける
最初の基本中の基本がこれです。
・法人の銀行口座- ・社長個人の口座
をきっちり分け、会社の支出は必ず法人口座から出す。
逆に、個人の生活費は役員報酬として一度振り込んでから使う。
このルールを徹底しないと、
・税務調査で「役員貸付金」「仮払金」が問題になる- ・「結局いくら会社にお金が残っているのか」が分からない
という状態になってしまいます。
2. 毎月1回「お金のミーティング」を自分と約束する
数字が苦手でも構いません。
最低月1回、30分だけ「お金と向き合う時間」をカレンダーに固定しましょう。
見るべきポイントはシンプルでOKです。
・売上・粗利は先月/予算と比べてどうか- ・手元資金はいくらあるか(何ヶ月分の固定費か)
- ・今後3ヶ月の入金・支払予定(資金繰り)
最初は会計ソフトの画面や試算表を
税理士と一緒に見ながらでも大丈夫です。
「なんとなく大丈夫そう」から卒業して、
数字で現状を把握する習慣をつくりましょう。
3. 資金繰り表を“ざっくり”でもいいので持つ
会社が倒れる理由の多くは、赤字よりも資金ショートです。
その予防に一番効くのが資金繰り表です。
完璧でなくて構いません。
・月ごとの「入金予定」(売上・融資・その他)- ・月ごとの「支払予定」(仕入・家賃・給与・返済・税金)
をエクセルやスプレッドシートに並べ、
半年〜1年先までの現金残高をざっくり予測してみてください。
「このペースだと○月に資金が薄くなるな」と
早めに気づければ、
・融資の相談- ・コスト削減
- ・入金サイトの交渉
など、打ち手を前もって打てます。
4. 「税金のざっくり見積もり」を必ず持っておく
1年目の創業社長がよく口にするのが、
「こんなに税金が出るとは思わなかった…」
という言葉です。
- ・法人税・住民税・事業税
- ・消費税(課税事業者の場合)
- ・源泉所得税・社会保険
…
など、会社をやっていると「税金・公租公課」が次々出てきます。
少なくとも、
・「利益がこのくらいなら、税金はざっくりこのくらい」- ・「消費税は○月にいくら払う可能性がある」
というイメージを、税理士と一度すり合わせておくことをおすすめします。
そのうえで毎月、利益の一部を“税金用の積立口座に移しておくと安心です。
5. 固定費と変動費を分けて「身の丈コスト」を意識する
創業初年度の失敗パターンで多いのが、
・オフィスを立派に借りる- ・人を先行採用しすぎる
- ・サブスク・システムを増やしすぎる
といった固定費の膨張です。
まずは支出を
・固定費(人件費・家賃・システム・リース等)- ・変動費(仕入・外注・販売手数料等)
に分け、「毎月、何もしなくても出ていくお金がいくらか」を把握しましょう。
6. 銀行・公庫との関係づくりを「平時」から始める
お金に困ってから金融機関に行くと、どうしても条件が厳しくなります。
創業融資を受けている場合は特に、最初の1年の付き合い方が今後を左右します。
・決算書や簡単な事業報告を、自分の言葉で説明する- ・売上の状況や今後の見通しを、半年〜1年に一度は共有する
- ・設備投資・拡大の予定があれば、早めに相談する
「数字をきちんと見ている社長」は、銀行からの信用も高くなります。
平時の時から関係性を構築するのも、お金の習慣の一つです。
7. 専門家(税理士・社労士)に「丸投げ」ではなく「質問」する
新米社長ほど、
「専門家に任せておけば大丈夫」
と思いがちですが、最終責任は社長にあります。
・決算書の読み方- ・役員報酬の決め方
- ・節税と資金繰りのバランス
分からないことは遠慮なく質問しましょう。
公認会計士・税理士
畑中 外茂栄





