2025年8月5日
カテゴリー:
就業調整の壁を超えてメリットを考える

365日ブログ
2,927日目
公認会計士・税理士
畑中 外茂栄です
最低賃金の全国平均が1,118円となりました

上昇の幅も過去最大で、63円と過去最大になったようです
ちょうど昨日は就業調整の壁の研修を社内で行ったところでした
企業側としては、昨今本当に悩ましい問題となってきました
というのも、
税制側の所得税・住民税については、
今年の税制改正でも少し無税の範囲内が広がりました
問題は社会保険の壁です
時給が上がっても、
106万円の壁や130万の壁を目途に
現実は就業調整が行われています
例えば、
配偶者特別控除38万円を納税者側で満額使用したいときには、
配偶者側は160万以下に抑える必要があります
ところが、実際は社会保険の加入義務が出てくるため、
中小企業ではその手前の130万の壁を意識して就業調整が行われます
時給が上がってもこの社保の壁が存在する限り、
働く時間だけが短くなってしまいます
企業側も働く側も、
この壁を超えて働くことを
本格的に検討しなければいけない
時期に入ってきたように感じます
社保加入によって手取りは減るかもしれませんが、
別のメリットに着目しましょう
例えば、
社保加入によって年金額が増える可能性があります
厚生年金に20年間加入した場合、
国民年金のみの場合と比較して、
将来受け取れる年金が毎年10万6,800円増えるというデータもあります
また、 傷病手当金や出産手当金を受け取れるようになります
これにより、病気やケガ、出産などで働けない期間も
経済的な保障が得られることになります
より安心して働くことができるようになります
目先の手取り減少より、
より広い視点で考えていくべきなのかもしれません
そして会社側としては、
その選択肢を提供できるように財務体質を強くしていくことが必要です
日本経済まだまだ混沌としていますが、
自社でできることに注力していきたいと思います
公認会計士・税理士
畑中 外茂栄