2025年8月23日
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銀行融資に強くなる!返済能力の具体的な評価項目を税理士が解説

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公認会計士・税理士
畑中 外茂栄です
返済能力が融資審査に与える影響と税理士の視点からの重要性
銀行からの融資を受ける際、最も重視されるのが「返済能力」です。
どれだけ優れた事業計画を提示しても、
「きちんと返せるかどうか」が不透明であれば、融資は難しくなります。
税理士として多くの中小企業の資金調達を支援してきた経験から、
今回は銀行がどのように返済能力を評価しているのか、具体的な基準を解説します。
銀行が重視する「返済能力」とは?その基本を理解する
銀行融資における返済能力の位置づけ
返済能力とは、融資を受けた企業が元利金を期限通りに支払う能力を指します。
銀行は融資の審査において、企業の事業の将来性と並んで、この返済能力を非常に重視します。
返済能力が低いと判断されるとどうなるか
返済能力が不十分と判断されると、融資が否決されるか、
希望金額より減額される可能性があります。
さらに、金利や返済条件にも影響を与えるため、慎重な準備が求められます。
税理士が解説!返済能力の具体的な評価項目
財務諸表から見られるポイント
銀行は直近の財務諸表(貸借対照表・損益計算書)を分析し、自己資本比率や営業キャッシュフロー、債務の総額などを確認します。赤字決算や資金繰りの悪化は、マイナス評価につながります。
借入金返済余力や利益率の重要性
債務償還年数は、以下の計算式で算出されます。
債務償還年数 = 借入金 ÷ (経常利益 + 減価償却費 − 法人税等)
目安は業種によって異なりますが、
一般的に債務償還年数が7年以内であれば健全な財務状況とみなされ、
10年以内であれば良好と判断されます。
10年を超えると危険と判断される場合があります。
過去の返済実績や債務履歴も評価される
過去に借入があった場合、その返済実績も評価対象です。
延滞や滞納があれば信頼性が低下するため、債務管理は欠かせません。
評価を上げるためにできること
税理士が推奨する財務改善の3つの方法
1.不採算事業の整理:利益率を高め、無駄な支出を減らす- 2.経費の見直しと管理体制の強化:固定費削減でキャッシュフローを改善
- 3.資金繰り計画の策定と実行:返済スケジュールを見据えた計画経営
銀行との関係性構築も評価に影響する?
日常的な銀行とのコミュニケーションも信頼構築につながります。
定期的な業績報告や面談を行うことで「経営姿勢が誠実である」と評価されやすくなります。
まとめと結論 – 銀行融資に備えるには「返済能力」の見直しが鍵
銀行融資を成功させるには、財務状況の見直しと改善が不可欠です。
「返済能力」は一朝一夕で高められるものではありませんが、
日々の経営改善の積み重ねで確実に強化できます。
融資成功の可能性を高めるために、準備をしましょう。
公認会計士・税理士
畑中 外茂栄