2026年3月6日

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資金繰り


倒産を防ぐ早期警戒:資金ショートの兆候10


公認会計士・税理士 

畑中 外茂栄です。 



黒字倒産や資金ショートは、赤字会社だけの問題ではありません。



利益が出ているかと、実際に利用できるキャッシュがあるかは別です。



だからこそ大事なのは、限界まで耐えることではなく、危険なサインを早めに見つけることです。



今回は、資金ショートの前に表れやすい10の兆候を整理します。





まず押さえたいこと



資金繰りは、悪化してから対応しても遅いです。



本当に危ない会社ほど、突然悪くなったように見えて、実際にはその前から小さな異変が積み重なっています。



「まだ大丈夫」と思っているうちに、手元資金は一気に細ります。



だからこそ、次の兆候を見逃さないことが重要です。




資金ショートの兆候10



① 支払いの遅延が増える



買掛金や借入金の支払いを、数日から数週間ずらすことが増えているような場合です。



これは単なる資金調整ではなく、支払うためのお金が足りていないサインです。


一度始まると常態化しやすく、信用低下にも直結します。



② 手形・小切手の不渡りリスクが高まる



当座預金の残高が少なく、振出日に資金不足になりそうな場面が出てくる場合です。



不渡りは会社にとって極めて重い問題です。


「たまたま今回だけ」で済まないことが多く、緊張感を持って見るべき兆候です。



③ 取引先から与信面で警戒される



支払条件の短縮、前払い要求、担保の要求が増えてきた場合です。



これは相手がこちらの資金繰り悪化を察知している可能性があります。


社内では見えていなくても、社外のほうが先に異変を感じることは珍しくありません。



④ 売上金の回収が悪化する



売掛金の回収サイトが長くなる、入金遅延が増える、未回収が目立つような場合です。



売上があっても、回収できなければお金は入りません。



利益と資金繰りは別物だと痛感する典型的なポイントです。



⑤ 在庫が滞留する



仕入れや製造は進んでいるのに、在庫が売れず積み上がっているような場合です。



在庫は帳簿上は資産でも、資金繰りの現場ではお金が寝ている状態です。



売れない在庫が増えるほど、現金は苦しくなります。



⑥ つなぎ融資が常態化する



運転資金を短期借入でつなぎ、返済のたびにまた借りる状態になっているような状態です。



一時的な資金調整ならまだしも、これが常態化しているなら危険です。


根本原因を放置したまま延命しているだけ、というケースも少なくありません。



⑦ 経費や公的支払いを先送り



社会保険料や税金を延納・分割にしているような場合です。



もちろん、制度を活用すること自体が悪いわけではありません。


ただし、それが恒常化しているなら、本質的に資金余力がない状態です。



⑧ 役員報酬や賞与の支払いを繰り延べている



役員報酬や賞与の支払いを後回しにしている場合です。



「社長が我慢すればいい」という話ではありません。


そこまでしないと回らないなら、会社の資金繰りはかなり苦しいです。



⑨ 銀行との関係が変わってくる



新規借入の反応が鈍かったり、リスケの相談が通りにくい場合です。



貸し渋りなど、銀行の空気が変わったときは、すでに警戒されていると考えたほうがいいです。



⑩ 資金繰り表を見ていない



将来の入出金予測を立てておらず、月末や決算前に慌てているような場合です。



特に、会計周りを税理士等にアウトソーシングしている場合でも、税理士等は資金繰表は基本的に作成はしません。



会社側が資金繰り表を積極的に作成しましょう。



資金繰りを見ていない会社は、問題が起きてからしか動けません。



逆に言えば、早めに見ていれば防げた資金ショートも多いです。




一つでも当てはまるなら、すぐ見直す



10項目すべて当てはまらなくても構いません。



一つでも明確に当てはまるなら、すでに見直しのタイミングです。



特に見るべきなのは、次の3つです。



  • ・手元資金があと何か月持つか
  • ・売掛金の回収と買掛金の支払いのバランス
  • ・借入返済を含めた今後3か月から6か月の資金予定



「なんとか回っている」ではなく、数字で先を読むことが必要です。




早めの相談が、選択肢を増やす



資金繰りの問題は、深刻化してから相談すると打てる手が限られます。


一方で、兆候の段階ならまだ選択肢があります。



金融機関への相談、返済計画の見直し、不要在庫の整理、回収条件の改善、固定費の調整など打てる手はあります。





まとめ



資金ショートは、ある日突然起きるわけではありません。


その前に、必ず何らかのサインが出ています。



  • ・支払いが遅れ始める
  • ・回収が悪化する
  • ・在庫が増える
  • ・借入依存が強まる
  • ・資金繰り表を見なくなる



こうした小さな異変を放置しないこと、それが、倒産を防ぐ最初の一歩です。



一つでも気になる兆候があるなら、資金繰り表を見直し、早めに金融機関や税理士へ相談することをおすすめします。


会社を守るにも、問題が大きくなる前に先手で動いていきましょう



公認会計士・税理士 

畑中 外茂栄

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