2026年3月5日
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経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済制度)とは?節税と簿外貯金の性質
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公認会計士・税理士
畑中 外茂栄です。
経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済制度)は、中小企業が取引先の倒産による連鎖倒産を防ぐための制度です。
毎月の掛金を積み立てておき、万一、主要な取引先が倒産したときに、無担保・無保証人で共済金の貸付けを受けられるのが特徴です。

なぜ人気?節税と簿外貯金
この制度が経営者に人気なのは、次の2つの性格を併せ持つからです。
・実質的な節税(利益の圧縮)- ・簿外貯金の性質
掛金はいくらまで?全額損金で利益を圧縮できる
掛金は 月5,000円〜20万円まで設定できます。
上限は 年240万円、累計800万円です。
そして最大のポイントは、支払った掛金の全額を損金(個人事業主は必要経費)に算入できること。
つまり、その年の利益を圧縮し、法人税・所得税・住民税の負担をまとめて抑えられます。
「簿外貯金」と言われる理由
積み立てた掛金は、解約するまで表に出にくいため、感覚的に「会社名義の簿外貯金」をしているように見えます。
また40か月が分岐点になり、加入から40か月以上経過すると、任意解約しても 掛金の100%が解約手当金として戻ります。
この性質を活かして、例えばこんな使い方ができます。
・黒字が続く間は掛金を増やして節税(利益圧縮)- ・将来の設備投資・資金需要・赤字見込みのタイミングで解約し、資金を戻す
- ・結果として、利益の平準化につながる
注意点:40か月未満の解約は元本割れ、解約時は課税
便利な制度ですが、落とし穴もあります。
1)40か月未満で解約すると元本割れ
短期での解約は、解約手当金が掛金合計を下回る可能性があります。
2)解約手当金は「雑収入」として課税
解約して戻ってくるお金は、原則として雑収入(益金)になります。
加入時に出口戦略を考えず、利益調整のつもりで増額すると、将来一気に利益が膨らみ、税負担がかえって重くなることがあります。
まとめ:三拍子そろうが「税の繰り延べ」と理解して設計する
経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済制度)は、次の三拍子がそろった制度です。
・取引先倒産への備え- ・全額損金による節税(利益圧縮)
- ・解約時に戻る“貯める仕組み”
一方で、節税というより税負担の繰り延べに近い面もあります。
資金繰りと将来の利益見通しを踏まえ、掛金額と解約タイミング(出口)まで含めて設計するのが重要です。
公認会計士・税理士
畑中 外茂栄





