2026年1月25日

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経営判断の基準を作る考え方


ROA(総資産利益率)を改善する2つのアプローチ:資産効率と収益性の両輪


公認会計士・税理士 

畑中 外茂栄です。 



ROA(総資産利益率)は、企業が保有する資産をどれだけ効率的に利益へ変えているかを示す重要な指標です。



金融機関が企業を評価する際にも重視され、ROAが高い企業は融資審査でも有利になりやすい傾向があります。



ROAは「当期純利益 ÷ 総資産」で計算され、同じ利益でも資産が少ない企業の方がROAは高く、経営効率が良いと評価されます。





ROAのロジックツリー



ROAは以下のように因数分解できます。



ROA = 売上高利益率 × 総資産回転率



つまり、ROAを改善するには「利益率を上げる」か「資産を効率的に回転させる」かの2つのアプローチがあります。



両方を同時に進めることで、ROAはより大きく向上します。



アプローチ1:資産効率の向上



総資産回転率を改善するには、遊休資産を減らし、資産を有効活用することが鍵となります。



まずは貸借対照表(B/S)を見直し、使っていない資産を洗い出しましょう。

使っていない土地や建物、稼働していない機械設備、長期滞留している在庫、回収が難しい売掛金などが該当します。



これらの資産は、ROAの分母(総資産)を大きくするだけで、利益に貢献していません。



例えば、総資産1億円のうち遊休資産が2,000万円ある場合、これを売却できれば総資産は8,000万円に減ります。



同じ利益だとすると、ROAは12.5%から15.6%へ改善します。



在庫管理の最適化も重要です。



過剰在庫は資金を固定化し、資産回転率を下げます。



適正在庫の設定や、ABC分析による重点管理によって在庫回転率を改善しましょう。



さらに、売掛金の回収期間短縮も資産効率の向上に直結します。



回収サイトを短縮したり、早期支払い割引を導入したりすることで、資産の滞留を防げます。



アプローチ2:収益性の向上



もう一つのアプローチは、売上高利益率の改善です。



粗利益率の向上、販管費の最適化、固定費の変動費化など、P/L構造の見直しがROA改善につながります。



粗利益率を1ポイント改善するだけでも、利益へのインパクトは大きくなります。



値上げ、原価削減、商品ミックスの改善などが有効です。



販管費については、固定費の見直しや無駄な支出の排除に加え、ITツールの導入など、長期的にコスト削減につながる投資も重要です。



両輪で回す経営改善



資産効率と収益性は、どちらか一方だけでは不十分です。



まず遊休資産の洗い出しから始め、次に在庫や売掛金の最適化、そして利益率の改善という順序で取り組むことをおすすめします。



資産を効果的・効率的に運用するための指標としてのROAを定期的にモニタリングし、改善状況を確認しながら、継続的に改善を進めましょう。


公認会計士・税理士 

畑中 外茂栄

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