2018年1月15日
カテゴリー:
知識0からわかる仮想通貨の確定申告②~売却・購入・交換・分裂~
365日ブログ
168日目
公認会計士・税理士
畑中 外茂栄です
2017年12月1日に国税庁が
”仮想通貨に関する所得の計算方法等について”を
公表しました
昨日からこの資料について
解説しています
今日の目次は下記です
儲けをどうやって考えるか
儲けをどうやって計算するか
–
この2点を中心に解説していきます
1.仮想通貨の売却について
これは基本的なパターンです
今のところ一番このパターンが
多いのではないでしょうか
–
日本円でビットコインを買う
ビットコインを売って日本円に換金する
––
このタイミングで
日本円が最初より増えていれば
利益が出ている状態です
このときに課税がされます
昨日、
利益が出た場合には
事業所得か雑所得で
申告することが必要になること
解説しました
この売買ですが、
ビットコイン等の仮想通貨は、
仮想通貨取引所を通じて
売買を行うのが一般的です
まずは売却したときの一般的な計算方法です
Q2 仮想通貨での商品の購入について
Q1 保有する仮想通貨を売却(日本円に換金)した際の所得の計算方法を教えてください (例)3月9日 2,000,000 円(支払手数料を含む。)で4ビットコインを5月20日 0.2 ビットコイン(支払手数料を含む。)を 110,000 円で売却した。 A1 保有する仮想通貨を売却(日本円に換金)した場合、その売却価額と仮想通貨の取得価額との差額が所得金額となります。 上記(例)の場合の所得金額は、次の計算式のとおり、10,000 円です。 売却価額110,000 円 - 1ビットコイン当たりの取得価額(2,000,000 円÷4BTC)× 支払ビットコイン0.2 BTC = 所得金額10,000 円
一番基本的なパターンですね
–
日本円でビットコインを
買って保有しているだけでは
課税はされません
ここが注意点です
通常、
仮想通貨取引所で売買を行うと
換金するための手数料がかかります
この手数料が仮想通貨取引所の儲けになります
そのため、
支払った手数料は
所得の計算上
必要経費として
引くことができます
必ず手数料は経費として落としましょう!
2.仮想通貨での商品の購入
これは昨日の書いた記事の例で言えば、
ビットコインで
ビックカメラで商品を買った場合
ビットコインで
メルカリで商品を買った場合
です
Q2 仮想通貨での商品の購入について
Q2 商品を購入する際に、保有する仮想通貨で決済した場合の所得の計算の方法を教えてください 。
(例)3月9日 2,000,000円(支払手数料を含む。)で4ビットコインを購入した。
9月28日 155,000円の商品購入に 0.3ビットコイン(支払手数料を含む。)を支払った。
–
A2 保有する仮想通貨を売却(日本円に換金)した場合、その売却価額と仮想通貨の取得価額との差額が所得金額となります。
保有する仮想通貨を商品購入の際の決済に使用した場合、その使用時点での商品価額と仮想通貨の取得価額との差額が所得金額となります。
上記(例)の場合の所得金額は、次の計算式のとおり、5,000 円です。
商品価額155,000 円 - 1ビットコイン当たりの取得価額(2,000,000 円÷4BTC) × 支払ビットコイン0.3BTC = 所得金額5,000 円
–
※上記の商品価額とは、日本円で支払う場合の支払額の総額(消費税込み)をいいます。
計算式事体は一般的な方法ですね
今のところ、
実際にサービスや商品を買う際に
使っている方はまだ少ないかもしれません
注意点として、–
手持ちの仮想通貨を全て使い切ってしまい、
残高が0になっていても
確定申告は必要になる可能性があります
違和感があるかもしれませんが、
ここが注意点ですね
3.仮想通貨と仮想通貨の交換
このパターンもまだ相談は少ないですね
仮想通貨のビットコインと
仮想通貨のリップルを交換する
といったイメージです
Q3 仮想通貨と仮想通貨の交換について
Q3 保有する仮想通貨を使用して他の仮想通貨を購入する場合(仮想通貨と仮想通貨の交換を行った場合)の所得の計算方法を教えてください。
(例)3月9日 2,000,000 円(支払手数料を含む。)で 4 ビットコインを購入した。
11月2日 他の仮想通貨購入(決済時点における他の仮想通貨の時価 600,000円)の決済に 1 ビットコイン(支払手数料を含む。)を使用した。
A3 保有する仮想通貨を他の仮想通貨を購入する際の決済に使用した場合、
その使用時点での他の仮想通貨の時価(購入価額)と保有する仮想通貨の取得価額との差額が、所得金額となります。
上記(例)の場合の所得金額は、次の計算式のとおり、100,000 円です。
–
他の仮想通貨の時価(購入価額)600,000 円 -1ビットコイン当たりの取得価額 (2,000,000 円÷4BTC) × 支払ビ ットコイン1BTC = 所得金額100,000 円–
–
※上記の購入価額とは、他の仮想通貨を購入する際に支払う仮想通貨の総額を日本円に換算した金額をいいます。
ポイントは、
単位を揃えるという点です
1ビットコインと
1リップルの価値は
それぞれ異なります
そのため、
いったん価値を日本円に揃えて考えましょう!
4.仮想通貨の分裂
新聞でもよく見かけますが、
仮想通貨は分裂します
例えば、
11月にはビットコインから、
別の仮想通貨ビットコインダイヤモンドが生まれました↓
株式会社の株式分割に
近いイメージですね
経済活動においても、
流動性を高めるために
1つの株を10株にすることもあります
Q4 仮想通貨の分裂(分岐)について
Q4 仮想通貨の分裂(分岐)に伴い新たに誕生した仮想通貨を取得しましたが、この取得により確定申告の対象となる所得は生じますか。 A4 所得税法上、経済的価値のあるものを取得した場合には、その取得時点における時価を基にして所得金額を計算します。しかしながら、ご質問の仮想通貨の分裂(分岐)に伴い取得した新たな仮想通貨については、分裂(分岐)時点において取引相場が存しておらず、同時点においては価値を有していなかったと考えられます。したがって、その取得時点では所得が生じず、その新たな仮想通貨を売却又は使用した時点において所得が生じることとなります。なお、その場合の取得価額は0円となります。
この分裂は、
課税関係は生じません
何かサービスやモノに変えたわけではないので、
儲けは発生していないと考えられます
あくまでも仮想通貨を
利用したタイミングですね
5.今日のまとめ
今日は現実でも多いパターンの解説でした
おそらく現状だと
QA1のパターンが多いと予測されます
昨日も解説しましたが、
そもそも確定申告の義務があるかどうか
ここが重要です
そして確定申告するために、
正確な所得の把握が必須です
複数回売買をしたり、
購入と売却を年度をまたいで行った場合など、
把握するために時間がかかる場合が予測されます
早期対応を意識しましょう!
※2018年1月現在の情報により作成しております。
様々なパターンが考えられるため、
確定申告の際で迷った際には、
必ず税理士の方から見解をご確認ください。
本日もお忙しい中お読みいただき、
どうもありがとうございました
公認会計士・税理士
畑中 外茂栄