2026年2月17日

カテゴリー:

資金繰り


黒字なのに倒産する理由|利益より「手元キャッシュ」を見る習慣


公認会計士・税理士 

畑中 外茂栄です。 



売上や利益が伸びているにもかかわらず、資金繰り悪化で経営が破綻する事例は少なくありません。



いわゆる「黒字倒産」です。



損益計算書上は黒字でも、手元のキャッシュが枯渇すれば支払いができず、倒産に至ります。



成長中の中小企業ほど、利益指標だけで判断せず、キャッシュの動きを常に把握することが、経営の安定性を担保するうえで不可欠です。



以下、利益とキャッシュの乖離を生む主な要因と、その対策の考え方を整理します。





黒字倒産が起こる主な要因



黒字倒産が起こる主な要因として、次の3点が挙げられます。



1. 売上拡大に伴う運転資金の増大



売掛金の回収には一定の期間を要します。



一方で、在庫や仕入が増えると支払いが先行しやすくなります。



取引拡大期は、利益が出ていても、その分のキャッシュが売掛金・在庫として事業内に滞留し、手元資金が逼迫します。



2. 借入金の返済



元金返済は損益計算書の費用には計上されないため、利益には反映されません。



返済原資は、税引後利益に加えて減価償却などの非現金費用も含めたキャッシュから捻出する必要があります。



返済額が大きいほど、キャッシュは確実に流出します。



3. 設備投資



設備投資は、投資時点で多額のキャッシュが支出されます。



一方、減価償却は長期間にわたり費用配分されるため、利益とキャッシュの動きに大きな乖離が生じます。



対策:月次でキャッシュフローを把握する



これらを管理するには、月次でキャッシュフローを把握することが有効です。



売上・利益の増減に加え、売掛金・在庫・買掛金の増減、借入返済、設備投資の支出を一覧化した月次キャッシュフロー表を作成し、定期的に確認してください。



これにより、利益と手元キャッシュの差が生じる要因を特定でき、資金不足に至る前に手を打てます。



利益は会計上の成果にすぎません。



支払い能力を直接表すのは手元のキャッシュです。



経営者および財務担当者は、月次でキャッシュフローの変動要因を点検し、運転資金・返済・投資のバランスを意識することが望まれます。



この認識を経営の前提に置くことが、黒字倒産の防止につながります。


公認会計士・税理士 

畑中 外茂栄

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