2026年1月22日
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相続税の”現金不足:納税資金を作る方法
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公認会計士・税理士
畑中 外茂栄です。
相続税の納税期限は、「相続の開始を知った日の翌日から10か月以内」です。
しかし、相続財産の多くが不動産や自社株などの「非上場株式」である場合、手元にキャッシュがなく納税資金の準備に苦労するケースが少なくありません。
手元に現金がない場合の具体的な資金調達方法と、その注意点を解説します。

1. 延納制度(分割払い)の活用
相続税額が10万円を超え、現金一括納付が困難な場合には、「延納制度」を利用できます。
・特徴: 5年〜最長20年の年割賦(分割払い)が可能です。- ・注意点: 延納期間中は「利子税」が発生します。また、原則として不動産や有価証券などの「担保」を提供する必要があります。
借入金利と比較して、どちらが有利か慎重に判断しましょう。
2. 物納(現物での納付)の検討
延納によっても現金での納付が困難な場合に限り、例外的に認められるのが「物納」です。
・対象資産: 不動産、国債・地方債、上場株式など(優先順位があります)。- ・注意点: 審査が非常に厳しく、管理処分不適格財産(境界未確定の土地など)は認められません。また、物納による収納価額は「相続税評価額」となるため、時価より安くなるケースが多いのがデメリットです。
3. 金融機関からの借入
「資産は売りたくないが、手元の現金も減らしたくない」という場合、金融機関の「相続税納税資金ローン」を活用する方法があります。
・メリット: 不動産を売却せずに済み、次世代へ資産を残せます。- ・ポイント: 相続した不動産を担保に入れることで、比較的低金利で融資を受けられる場合があります。返済計画(賃料収入で返すのか、将来の売却で返すのか)を明確にすることが重要です。
4. 資産(不動産・株式)の売却
最も一般的なのが、相続した土地や建物、株式を売却して現金化する方法です。
・メリット: 相続税評価額よりも高く売却できれば、納税後の手残り資金が増えます。- ・注意点: 10か月という期限があるため、焦って売却すると「買い叩かれる」リスクがあります。早期に不動産会社や専門家へ相談し、余裕を持ったスケジュールを組みましょう。
まとめ:事前の「納税シミュレーション」が鍵
相続税の現金不足を防ぐには、生前からの対策が欠かせません。
・生命保険の活用(非課税枠の利用と即時の現金確保)- ・資産の組み換え(換金性の低い不動産を売却し、現金や上場株式へ)
- ・生前贈与による資産移転
いざ相続が始まってから慌てないよう、まずは「現在の資産でいくら税金がかかるのか」を把握することから始めましょう。
公認会計士・税理士
畑中 外茂栄





