2024年9月5日
カテゴリー:
川上から問題点を考える
365日ブログ
2,593日目
公認会計士・税理士
畑中 外茂栄です
昨日Xのトレンドで「税務署パンク」が上位に上がりました
なんだろうなと思ったら、
河野太郎氏の
「年末調整を廃止して、すべての国民に確定申告してもらう 」
という発言からでした
本来であれば1人1人が税金計算をして納付をするところ、
会社員の方は年末調整という仕組みの中で、
ご自身で確定申告をせずに企業側が代わりに税金計算を行っています
11月頃に、
会社から提出しなさいと言われた書類を提出すればすべて終わります
年末調整ではなく確定申告をすれば、
税務署の確認作業の業務量が増える
ゆえに税務署がパンクする
こういった流れでした
でも河野太郎氏はデジタル化の推進で労力なくできる体制が整う、と
ほとんど手間いらずで確定申告できるというのも当面は無理でしょう
いくらデータの収集はできても、
最終成果物にはそれなりの知識が必要です
見方を変えて、
我々の会計事務所側の人間からすると、
年末調整を廃止は賛成です
というのも、
税務署がパンクするようなことを、
一般企業の経理部や人事部、
そして我々会計事務所は代行として請け負っています
今の年末調整の作業は、
数年前から各段に難しく業務量が増え続けています
そんな中でも今年6月に時限的に始まった定額減税
インボイス制度や電子帳簿保存法
定額減税も、
本来であれば役所からの給付金であれば一発で完結するところ、
最低最悪の愚策により民間にその労力を押しつけました
税務署がパンクする前に民間企業が疲弊し続けています
こ付加価値を生み出すことから遠く離れる政策の積み重ね
昨今の日本の国力低下の1つの要因になっています
話を戻すと、
必ずやらなければいけない業務が大きくなりすぎて、
民間か税務署のどちらがそれを担うか
結果、どちらかがパンクするという構図なんですね
なので確定申告か年末調整という話の前に、
そもそも制度の設計が複雑すぎるのです
今の各税制は、中立・公平・簡素から遠く離れすぎていますね
租税法律主義を掲げるなら、シンプルな設計が必要です
何事も問題点は川上から解決していきましょう
それでは本日もがんばっていきましょう!!
公認会計士・税理士
畑中 外茂栄