2025年11月28日

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出口戦略と財務戦略


「社長に万が一」が起きても会社と家族を守るためのシンプル財務チェック


公認会計士・税理士 

畑中 外茂栄です。 



中小企業では、社長=会社そのもの、というケースがほとんどです。


もし突然「社長に万が一」が起きたら——会社の資金繰り、家族の生活、借入の個人保証はどうなるでしょうか。



本記事では、縁起でもない話をあえて正面から捉え、今すぐ確認できる“最低限の財務準備”をコンパクトに整理します。








1. 社長に何かあったとき、何が起こるか



社長不在で起こりがちなことは、ざっくり次の3つです。



  • ・売上減少・取引先や銀行の不安
  • ・銀行借入の条件変更・個人保証問題の表面化
  • ・家族の生活費・相続税・借入返済資金の不足



これらを「事前の準備」でどこまで和らげるかがポイントです。




2. 会社を守るための3つの準備



① 半年〜1年分の“時間を買う資金”があるか


  • ・月商の1〜3か月分の手元資金
  • ・いざというときに使える銀行枠(当座貸越・コミットラインなど)



② 経営者保険の目的と金額は妥当か


  • ・保険金の受取人は「会社」になっているか
  • ・節税優先ではなく「運転資金と借入返済をどこまでカバーしたいか」で設計しているか



③ 自社株と後継者の整理


  • ・自社株を誰が何%持っているか把握しているか
  • ・将来、誰に株を集めるのか“ざっくり方針”だけでも決めているか




3. 家族を守るための3つの準備



① 家族の月間生活費を把握しているか


  • ・毎月いくら必要かを書き出す
  • ・遺族年金、預貯金、保険の年金受取りでどこまでカバーできるか確認



② 相続税・借入返済の一時金のメド


  • ・相続税が発生しそうか、試算したことがあるか
  • ・生命保険、死亡退職金で納税資金や借入返済をどこまで賄えるか



③ 遺言・家族会議の有無


  • ・誰が会社を継ぐのか
  • ・株や不動産をどう分けるのか
    ・簡単でもよいので家族と話したことがあるか、公正証書遺言の検討をしたことがあるか。




4. 個人保証・担保の整理は時間がかかる



社長個人の保証や自宅担保は、急には外せません。



  • ・メインバンクに「将来的に保証を減らしたい」と相談したことがあるか
  • ・決算書の内容改善・自己資本の積み上げに取り組んでいるか
  • ・5〜10年かけて少しずつ保証・担保を軽くする“長期戦”と考える






5. まずは今日から実践



最後に、今日すぐ見直せる4つの質問です。



・メインバンクと「将来の事業承継・万が一のとき」について話したことがありますか?

・手元の現預金は、月商の何か月分ありますか?

・経営者保険の「目的」と「保険金額」を言葉で説明できますか?

・家族の生活費(毎月)と、ざっくりした相続税の規模を把握していますか?



万が一のことは、万が一のことが起こってからでは対処できません。



今からできることを取り組んでいきましょう。


公認会計士・税理士 

畑中 外茂栄

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