2025年4月17日
カテゴリー:
「期限の利益」と「期限の利益の喪失」とは?

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2,817日目
公認会計士・税理士
畑中 外茂栄です
民法における重要な概念で、
「期限の利益」
という概念があります
これは経営を行っていく上で、
銀行などから借入をするときにも
必ず理解しておいていただきたい概念です

「期限の利益」とは、債務者側から見た概念です
借入金の返済期限が到来するまで返済をしなくてもよいという、
借り手が享受できる権利のことを指します
銀行から運転資金としてお金を借りても、
1週間後に返してくれと言われてしまったら
その資金を使用することができません
つまり、
借入をした時に決められた期限までは、
一括返済を求められることなく、
計画的な資金運用が可能になります
したがって、
返済期限まで返済をしなくて良いという利益を享受できます
一方でこの「期限の利益」を喪失するケースがあります
その代表的な例が、返済の遅延です
契約で定められた返済期日に遅れが生じた場合、
銀行との契約により「期限の利益喪失条項」が発動され、
残債務全額の即時返済を求められる場合があります
この場合、企業に深刻な影響を与える場合があります
また、返済以外にも契約書に記載された条件違反や、
財務内容の大幅な悪化などによっても
期限の利益を喪失する場合があることに注意が必要です
自社で借入をしている人は、契約書を確認してみましょう
そのため、期限の利益を守るために重要なポイントは以下のとおりです。
- ・返済計画を厳守し、期日に必ず返済を行う。
- ・財務状況の変化を銀行へ報告し、信頼関係を維持する。
- ・契約書を熟読し、期限の利益喪失条項についてしっかりと把握する。
期限の利益を失うリスクを回避するためには、
日頃から銀行と良好な関係を築き、
財務の健全性を維持するための努力が欠かせません
資金繰りが厳しくなった時に
銀行に何も連絡せずに遅延し続けることは避けましょう
資金繰りが厳しくなり、返済に不安が生じた時点で、
早めに銀行や専門家に適切な対応を検討することが必要です
公認会計士・税理士
畑中 外茂栄