2026年1月20日
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金融機関が嫌う「粉飾」に見える決算書
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公認会計士・税理士
畑中 外茂栄です。
金融機関は決算書を非常に厳しくチェックします。
特に「粉飾」の疑いがある書類には敏感です。
しかし、経営者に決して悪意がなくても、特定の会計処理が原因で「粉飾ではないか?」と誤解されてしまうケースが多々あります。
一度失った信用を取り戻すのは容易ではありません。
金融機関が警戒する「粉飾に見えるパターン」とその対策を確認しておきましょう。

① 売上の計上タイミング(売上の前倒し)
決算期末に無理に売上を計上すると、粉飾を疑われるリスクが高まります。
- ・疑われるケース:
- (1)未出荷の受注を売上に計上している
- (2)決算月だけ売上が異常に急増している(季節性がない場合)
- (3)翌月すぐに大きな返品や赤字伝票が発生している
- ・対策: 売上は確実に商品・サービスを引き渡した時点で計上します。
月次の売上推移に連続性を持たせることが重要です。
② 在庫の過大評価(棚卸資産の水増し)
在庫(棚卸資産)を過大に評価すると、利益が不自然に積み増しされたように見えます。
これは粉飾の典型的な手法であるため、非常に厳しくチェックされます。
- ・疑われるケース:
- (1)売上は伸びていないのに、在庫だけが年々増え続けている
- (2)数年前から動いていない「不良在庫」がそのままの価値で計上されている
- (3)実地棚卸の結果と帳簿が一致していない
- ・対策: 滞留在庫や不良在庫については、ルールに基づき適正に評価減を行いましょう。資産の健全性を示すことが、結果として銀行の評価に繋がります。
③ 負債の隠蔽(未払金の計上漏れ)
買掛金や借入金を計上し忘れたり、決算期末に支払いを先送りしたりすると、負債を隠していると判断されます。
- ・疑われるケース:
- (1)社会保険料や税金の未払分が計上されていない
- (2)社長個人からの借入金が「不自然な勘定科目」に紛れている
- (3)外注費などの経費が翌期に回されている
- ・対策: 経過勘定(前受金・未払金・未払費用など)の計上漏れをなくし、すべての債務を正確に反映させます。「経費を正しく計上しているか」は誠実さの指標です。
まとめ:評価されるのは「透明性」
金融機関は「完璧でピカピカの決算書」よりも、「実態が正しく反映された透明性の高い決算書」を高く評価します。
不自然な会計処理を避け、もし数字に大きな変動がある場合は、あらかじめその理由(一時的な要因など)を説明できる準備をしておきましょう。
透明性のある情報開示こそが、融資審査を通過するための最短ルートです。
公認会計士・税理士
畑中 外茂栄





