2026年1月15日
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会社が危ないサイン:資金繰り悪化を示すKPI3つ
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公認会計士・税理士
畑中 外茂栄です。
「黒字なのに資金繰りが苦しい」という経験はありませんか?
会計上の利益と、手元にある現金は別の概念です。
倒産リスクを回避し、資金繰り悪化のサインを見逃さないために、経営者が必ず押さえておくべき3つのKPIを解説します。

① 運転資金(ワーキングキャピタル)の増加
売上は伸びているのに、なぜか手元の現金が増えない。
その原因の多くは運転資金」の膨張にあります。
- 計算式:
売掛金 + 在庫 - 買掛金
運転資金が増え続けているのは、「利益が在庫や未回収の売掛金に化けている」状態です。
特に以下の傾向がある場合は危険信号です。
・売上の伸び以上に在庫が積み上がっている- ・売掛金の回収条件が悪化している(回収が遅い)
- ・買掛金の支払サイトが短縮されている(支払いが早い)
② 当座比率の低下
短期的な支払い能力を測る指標が「当座比率」です。
・計算式:当座資産(現預金・売掛金など) ÷ 流動負債 × 100
流動比率(棚卸資産を含む)よりも厳格に、「すぐに現金化できる資産」で負債をカバーできているかを見ます。
・100%(1.0)以上: 安全圏- ・100%未満: 短期的な支払いを借入金で回している可能性あり
- ・80%未満: 資金ショートの恐れがある「緊急事態」
売掛金の回収が滞ると、帳簿上は資産があっても当座比率が実質的に低下するため、債権管理の徹底が必要です。
③ 借入依存度の上昇
会社の資産のうち、どれだけを借入金に頼っているかを示す指標です。
・計算式:総借入金(短期+長期) ÷ 総資産 × 100
借入依存度が高まるほど、支払利息の負担が増え、キャッシュフローを圧迫します。
特に、慢性的な赤字補填や運転資金不足を補うための「短期借入金」が増えている場合は要注意です。
・50%超: 資金繰りが借入に依存しすぎている状態- ・60%超: 倒産リスクが高まる警戒ライン。返済計画の抜本的な見直しが必要
対策は「早期発見」と「改善アクション」
これらのKPIを月次でチェックし、悪化の兆候が見えたら即座に以下の対策を講じましょう。
・売掛金の早期回収: 請求漏れの確認、回収サイトの短縮交渉- ・在庫の適正化: 不良在庫の処分、発注精度の向上
- ・買掛金の支払い交渉: 支払サイトの延長検討
- ・資金繰り表の更新: 週次で更新し、最低でも3ヶ月先までの見通しを立てる
「数字」は嘘をつきません。
KPIをモニタリングする習慣をつけることが、会社を守る第一歩となります。
公認会計士・税理士
畑中 外茂栄





