2025年12月1日

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信用組合・信用金庫・地銀・メガバンク・政策金融公庫・商工中金の分類について

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公認会計士・税理士　

畑中　外茂栄です。　

一言に金融機関と言っても、「信用組合・信用金庫・地方銀行・メガバンク・日本政策金融公庫・商工中金」と様々です。

全体像やそれぞれの基本的な役割を理解しておくことで、会社の資金調達の戦略が変わってきます。

■大きなくくり：民間と政府系

民間金融機関

・信用組合（信組）
・用金庫（信金）
・地方銀行（地銀）
・メガバンク

政府系金融機関

・日本政策金融公庫
・商工中金

ポイントは「営利（民間）」か「政策目的（政府系）」かです。

■組織形態の違い

・協同組織：信組・信金（地域と会員のため）
・株式会社：地銀・メガバンク・商工中金（利益も追う）
・政府100％出資：日本政策金融公庫（政策優先）

■信用組合（信組）

目的：地域の中小企業・個人の“相互扶助”
特徴：組合員から預金を集め、組合員に融資。
強み：小規模事業者に親身。人柄や事業内容を丁寧に見てくれる。
注意点：サービスの幅は広くない。全国展開とは相性弱め。

■信用金庫（信金）

目的：信組と同じ協同組織。規模は信組より大きい。
強み：中小企業支援に非常に強い。創業支援や相談会も多い。
注意点：大口・海外取引は地銀やメガバンクが得意。

■地方銀行（地銀）

性格：地域を基盤とする株式会社の銀行。
役割：地域企業のメインバンク。自治体・インフラにも関与。
強み：融資・為替・事業承継・M&Aなど総合力が高い。
注意点：信金より審査はやや厳しめ。ただし中小企業支援への熱量は高い。

■メガバンク（都市銀行）

性格：全国型の大手銀行（UFJ・三井住友・みずほ）。
役割：大企業・グローバル企業向けが中心。
個人・中小企業のメリット：ATM・ネットバンクが便利。商品ラインナップが豊富。
注意点：小規模融資は信金・地銀の方が柔軟な場合も多い。

■日本政策金融公庫

性格：政府100％の政策金融機関。利益より政策重視。
対象：中小企業、創業者、農業者など。
強み：創業融資・無担保無保証枠など支援制度が豊富。金利も低め。
位置づけ：民間だけでは難しい案件に資金を供給する“政策の補完役”。

■商工中金

性格：政府＋民間が出資する“ハイブリッド”金融機関。
対象：中小企業の組合・組合員企業など。
強み：設備投資、事業再生、事業承継、海外展開など高度な案件に強い。
特徴：信金・地銀・公庫と協調し、難しい案件にも踏み込む。

■誰にどの金融機関が合うか

●個人

・便利さ重視：メガバンク・地銀
・地元での相談重視：地銀・信金

●フリーランス・小規模事業主

・取引口座・相談窓口：信金・信組・地銀
・創業融資：政策金融公庫＋信金・地銀の組み合わせが定番

●中小企業

・メインバンク：地銀 or 信金
・設備投資・事業承継：地銀＋商工中金＋公庫の連携が有効

●大企業・海外展開

・メインバンクはメガバンクが一般的

■まとめ

上手な付き合い方は、ステージごとに組み合わせることです。

・創業期：公庫＋信金＋地銀
・成長期：地銀＋商工中金
・全国・海外：メガバンク中心＋複数行

自社の成長フェーズに合ったと銀行を資金調達の戦略として意識していきましょう。