2025年11月26日

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成果を出す考え方


令和7年度宅地建物取引士試験(宅建試験)の振り返り~民法の神様 VS法令の死神~


公認会計士・税理士 

畑中 外茂栄です。 



本日、令和7年度宅建試験の合格発表があり、

ボーダー+2点の35点(合格点33点)で無事合格しました。


そんなに自慢できる点数ではないのですが、

仕事と育児の合間でやり切れたのは、正直ほっとしています。



自分自身の備忘と今後の受験される方の参考も兼ねて、

勉強開始から本番までをまとめておきます。




1.令和7年度宅建試験の概要



試験日は 令和7年10月19日(日)
全国47都道府県・257会場で実施され、受験者数は 245,462人
合格者は 45,821人、合格率18.7% でした。平均年齢は36.2歳。






2.使用した教材



①メイン:スタディング宅建講座


  • URL

    ・テキストは紙教材を使用しました。
  • ・問題集、過去問13年分(分野別)・模擬試験1回分はオンラインで受講しました。
  • ・費用は税込3万円未満。他校が10〜20万円前後のため、コスパ重視で選択しました。

②サブ教材



  • ・吉野塾ワンコイン模試(Navy・White)
  • ・吉野塾フリー模試(Green)
  • ・吉野塾Youtube
  • ・日建学院 全国公開模試(1回)


左側はテキスト、右は模試です。



テキストはかなりコンパクトにまとまっていると感じました。





3.学習開始時期と進め方



■ 4月〜9月中頃



  • ・スタディングの講義を1周、問題集を1周、分野別過去問13年分を1週のみしました。
  • ・テキストの復習はゼロで、とにかくカリキュラム消化に集中しました。
  • ・テキストは直前期に回転させるために、重要ポイントを集約しておきました。

■ 9月下旬(直前期)〜10月(本番)



  • ・模試とテキスト中心の反復に完全シフトしました。
  • ・スタディング、日建学院、吉野塾の模試は合計3回転しました。(初見1回+復習2回)
  • ・テキストは、過去問と模試で出た論点の前後も含め回転しました。




4.学習時間


スタディングは基本オンラインで進めていくため総学習時間を計測できるのですが、

スタディング上は約129時間でした。(スクショ参照)


この内容については、オンライン講義、問題集1回分、過去問13年分(分野別)1回分、模擬試験1回分が含まれています。



ここまでが9月末までの学習時間で、10月にオンライン以外のサブ教材やテキストを回転する時間の勉強時間がプラスされるため、最終的な総学習時間はおおよそ170時間~180時間前後と見積もっています。



宅建の一般的な学習時間の目安が諸説ありますが、300時間~500時間程度と言われているため、効率的に学習できたのはメインのスタディングの教材のおかげでした。




5.スタディングの良かった点



■ 良かった点



スタディングの良かった点を、忖度無く書きます。



講義時間や問題集がコンパクト 特に社会人は、本業の仕事があったり育児があったりと、まとまった時間がとりづらいことが想定されます。



私もそうでした。



その中で、講義時間や問題集は移動時間やちょっとしたスキマ時間で進められるため、勉強にとりかかるハードルは事実少なかったと感じました。



またAIカリキュラム 自分の学習できる時間帯や、曜日を選ぶと、カリキュラムを自動生成をしてくれたのは素晴らしい機能だと感じました。



作成されたカリキュラム通りに進めていくことが日々の勉強のベンチマークになりました。



またAI学習機能として、間違った問題だけを抽出してくれる機能があります。



私は時間の関係上、問題集は1回しか解かなかったため使用しませんでしたが、繰返し学習するためには良い機能だと思いました。



■ 改善点



基本的に、9月末までメイン教材のスタディングと日建学院の模擬試験以外は、手を出す予定は全くありませんでした。



というのも、試験勉強は教材をどんどん絞っていくのがセオリーで、中途半端に手を出すのは消化不良になるためです。



実際にスタディングの教材でも、ポイントを集約していく過程でどんどん削っていきました。



スタディングはオンライン受講が基本になります。



そのため外部環境の本番試験の想定で、外部の模試は1つだけ(日建学院)は受講しよう思っていました。 (できれば2回受験したかったのですが、時間の都合上できませんでした)



ところが、実際に模擬試験を解きだした9月末くらいに、吉野塾の吉野先生のYoutube動画に出会いました。



ここで、講座の内容については、どこの学校も一緒だろうと思っていたのですが、スタディングで紹介されていない暗記のゴロや、解法テクニックもかなり豊富に紹介されていたので、方針転換を決断しました。



消化不良にならない程度に、吉野塾の模試やYoutube動画を受講しました。



また頻出論点の暗記は、自分で生成AIでゴロを作ったりカバーしました。



スタディングは暗記のゴロの紹介はかなり少ない(ほぼ無い)のと、解法テクニックが少ないのは課題でした。



加えて、スタディングのテキストは、試験対策上の強弱が分かりづらかったです。



例えばAランク、Bランク、Cランクと言ったランク付けも無いですし、〇〇年の試験に出たという記述もありません。 (多少、文章の中に言及されていることはありますが、ほぼありません。)



私は基本的に問題集や過去問を解きながら、ポイントを集約していったので自然と強弱をカバーできましたが、ここは注意点です。(今後改善される可能性はあります)



あと言葉の定義づけが微妙でした。



例えば、借地権の更新事由のテキストでは、



と記載されています。



他校の模試を受講して分かったのですが、他校だと



として定義づけし、意味を箇条書きに紹介していました。



こういったことがテキストで散見されました。



定義→意味

文章ではなく箇条書き



のように展開してくれれば記憶の定着も良くなるのですが、若干このあたりは不足しているように感じました。



また私は過去問・模試→テキストに戻るスタイルでしたが、

過去問に出ている論点も、テキストには記載されていない箇所がよくあるように感じました。



ただしここはなんでもかんでもテキストに詰めると分量が多くなりすぎるので、

重要度から除外している可能性もありますし、コンパクトにまとまっているといえばまとまっているとポジティブに捉えることができます。



ここは好みも分かれそうです。



私は少なくとも過去問に出た点についてはアップデートしてほしいなと思いました。



全体感としてメイン教材として使用し合格できたのことと、コスパは圧倒的です。



講義・問題集・13年分の分野別過去問・模擬試験が1回手に入るのは素晴らしいです。



総合するとスタディングは おすすめ度は5段階で3です。




6.模試の点数推移



9月26日に、コロナに感染してしまい、期限付きの仕事に影響が出てしまいました。



仕事を優先した結果、数日まともに勉強時間を確保することができませんでした。



ここで当初の予定が遅れてしまいました。




その状態で直後に受けた9月29日のスタディングの模試(初見)は23点(ひどい・・・)でした。 スクショ参照。



コロナ明けだったとはいえ、50%の正答率を切っていたので、かなりやばいと思って、ここからスパートをかけました。



続いて、10月5日受験した日建学院の模擬模試では初見で31点でした。 スクショ参照。

この時点で、民法が全然だめでした(ノД`)・゜・。



続いて、吉野塾の模擬試験は、



・吉野塾のフリー(無料)模試 Greeen は32点(目標点は38点)

・吉野塾のワンコイン模試 Navy 初見で34点(目標点は35点)、Whiteは初見で34点 (目標点は36点)



と 徐々に点数は上がっていきましたが、いずれも目標点数を超えることができませんでした。



つまり、合格までに初見の模試で目標点数は一度も上回ることはできませんでした。



ただし、模試の目標はあくまで弱点の把握と補強のため、点数自体は気にせず、学習を続けていました。



なお、外部模試は必ず1回は受験したほうがいいと思います。



本番をベストな体調や確実な状態に仕上げられるか保証はありません。



また、宅建が終わったあとに各資格学校の解答速報でも、2問正解の解答が割れていました。



ちなみに別の国家資格になりますが、私が会計士試験の短答式試験に合格したときも同様に解答が割れることがありました。



どんな国家試験でも、資格学校の間でも解答が割れるような問題が、本番には出てしまうのです。



そういった意味でも、模試で正解すべき問題・正解しなくてもいい問題を見極めるために受験したほうがいいと思います。






7.本番の所感



直前になって、SNSなどでいろんな情報を目にしました。



こういった情報が定説として流れていましたが、上の定説はすべて無視しました。



私は模試の結果からも、民法が弱点だったことは明らかでしたし、テキストを回転するときも過去問・模試に出た問題プラス周辺論点を確認していました。



宅建業法と法令は苦手意識は無かったので、そのまま続けていればなんとかなるだろうと算段をしていました。



今回本番で幸いだったのが、今まで模試でまったく民法で点数を取れていなかったのですが、なんと14点中13点も取れてしまいました。



本番の結果の内訳↓



民法の神様が舞い降りてきました。



テキストや模試で基本的な論点は確認していたので、本番は結果が出て良かったです。



本番で解いている中で手応えを感じてしまい、私は浮かれてしまいました。



普段民法で点数が低かったため、あとは法令と宅建業法を普段通りにやれば、ボーダーに届くだろうと思いながら、法令を解き始めます。



ところが、民法の神様が舞い降りた直後に、法令の死神が容赦なく襲い掛かってきます。



法令が3問しか取れませんでした・・・



なんだこれ・・・



宅建業法も14問で、7割の正解率でした。



結果、民法で稼げたのですが、法令と宅建業法が足を引っ張ってしまうという結果になってしまいました。



これは予想外でした。



また令和7年度は、個数問題(正解率が下がる)が増加したため、前年度よりも難しく、時間がかかってしまった傾向になりました。



このようにいきなり試験の傾向が変わることもあります。



定説にあるような、民法を最初から捨てたり、

50問目から解きだした人はかなりきつかったのではないかと思います。



何か偏った方法ではなく、王道の勉強スタイルだと大事だと実感します。




結果、初見の模試でも35点は一度も取れたことはありませんでしたが、

本番で35点を取ることができました。





8.もし時間を戻せるなら



当初9月末ですべてのカリキュラムを終える段取りを組んでいて、その通りで進めていきました。



できれば、7月末までには一通り終えて、8月以降は模擬試験を適度に挟みながら計画を修正できるといいかなと思いました。



私は時間の関係上、メイン教材のスタディングは9月末で終わりましたが、

途中コロナにかかったり予想外のことも発生しました。



やはり計画はズレることを前提で、余裕を持って取り組むことが大切ですね。




9.合格後について



合格はゴールではなくスタートです。


知識は使ってナンボ、実務でこそ生きてきます。


私も早速、実務の中で活かしていきます。




最後に



働きながら、育児をしながら、限られた時間で宅建に挑戦する人は多いと思います。



私も仕事と育児をしながらの挑戦でした。



ですが、不利な条件を出したらキリがありません。



完璧な学習計画でなくても、王道を外さず継続できれば、十分戦えます。



受験される方の参考になれば幸いです。



来年挑戦する方、合格をぜひつかみ取ってください。



公認会計士・税理士 

畑中 外茂栄

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