2025年9月11日

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経営判断の基準を作る考え方


LTVとは?経営者が知っておきたい視点

365日ブログ 

2,964日目 


公認会計士・税理士 

畑中 外茂栄です。



LTVの重要性



ビジネスの成長を目指す中で、

「LTV(顧客生涯価値)」という重要な指標があります。

特にリソースが限られる中小企業においては、既存顧客との関係性を強化し、

利益を最大化する戦略が欠かせません。


本記事では、税理士の視点からLTVの基本とその経営への活かし方について、わかりやすく解説します。




LTV(顧客生涯価値)とは?



LTVの定義と基本的な算出方法



LTVとは、一人の顧客が企業にもたらす総利益のことで、以下の式で表されます。



LTV = 平均購入単価 × 購入頻度 × 継続期間



ここから顧客維持コスト(サポート費用や販促費など)を差し引いたものが「正味LTV」です。

中小企業においても、この数値を把握することで、

どの顧客に注力すべきか、どのサービスが収益性に貢献しているかといった戦略的判断が可能になります。



なぜ今、LTVが重要視されているのか?



近年、新規顧客の獲得コスト(CPA)が上昇しており、

既存顧客の維持と育成が企業の持続的成長に直結します。

LTVの最適化は、利益率の改善や経営の安定化に大きな効果をもたらします。




税理士が見るLTV活用のポイント



財務戦略におけるLTVの位置づけ



LTVはマーケティングだけでなく、財務戦略の一部としても重要です。

顧客ごとのLTVを予測することで、将来の売上計画、投資判断、融資交渉などに活用できます

税理士としては、LTVを財務数値としても意識すべき指標と位置づけています。



LTVと利益率の関係



高LTVの顧客にリソースを集中することで、単なる売上増ではなく利益率の向上にもつながります。

「どの顧客層にコストをかけるべきか」を判断する材料としてLTVの分析を推奨しています。




成功事例に学ぶ!LTVを伸ばした中小企業の工夫



成功例:定期サービス導入でLTVアップ



ある製造業の中小企業では、定期メンテナンス契約を導入することで顧客の継続率を大幅に向上させ、LTVを改善しました。単発での取引からサブスクリプション型の継続取引に移行することで、収益の安定化と顧客満足度の両立に成功しています。



顧客との関係性がLTVに与える影響



特に地域密着型やサービス業では、顔の見える関係性や信頼構築がLTVに直結します。

アフターフォローの充実や、担当者との継続的な接点作りがリピーター獲得のカギとなります。




LTV向上で注意すべき点



顧客獲得コストとのバランス



LTVを高めるための投資(特典、サポート、人件費など)が、顧客獲得コストや維持コストを上回ってしまうと逆効果です。ROI(投資対効果)を常に意識し、「LTV > CAC(顧客獲得コスト)」という健全な関係を保つ必要があります。



リスク分散



高LTVの顧客に依存しすぎると、売上の偏りやリスク集中につながります。

LTV分析をもとに収益源の多様化やポートフォリオ管理を行い、リスクを分散することが望ましいといえます。




LTV向上がもたらす中小企業の未来



長期的な経営安定と社員定着



LTVを意識した経営は、目先の売上ではなく、顧客との長期的な関係性を重視する経営スタイルを育みます。これにより、安定した収益構造が築かれ、従業員の定着率向上や業務効率の改善にもつながるでしょう。



地域を超えた展開にも活用できる



LTVを軸に構築した経営モデルは、他地域への展開や新規事業にも応用可能です。データに基づいた判断ができるため、再現性のあるスケーラブルなビジネスモデルとして発展させることができます。



より長期的な指標として、LTVを意識しましょう。

 


公認会計士・税理士 

畑中 外茂栄

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