2020年7月25日
カテゴリー:
節税よりも納税をして身軽になる
365日ブログ
1090日目
短期でキャッシュフローを改善し、
経営者のビジョンと願望実現を支援
財務戦略の専門家
畑中 外茂栄(はたなか ともえ)です
日経新聞に賃貸用不動産を使った
相続税対策の記事が出ていました
読んでいると、
コロナ関係で賃料収入が減少が懸念されていて、
・相続税対策で建築した際の借入金の返済が困難になる
・老後用の貯蓄を取り崩さなければいけなくなる
といった内容の記事でした
相続税対策の基本は、
①財産の形を変える
②財産の額を減らす
③税務上の特典(小規模宅地など)を使う
この3つです
財産の形を変える代表的な例は
今回のような不動産経営です
持っている現金を不動産に変えることで
税務上の評価額を減額することができます
引用:日経新聞
弊社では相続税の業務に関しては、
今回のような節税目的で不動産経営を
勧めるような提案は行っていません
昔から一貫してこのスタイルを取ってはいるのですが、
ひとつの時点だけを見ればこの相続税の評価額は
たしかに下がっています
そのように提案している業者や専門家も嘘はついていません
節税目的で依頼した方も騙されたわけではなく、
お互いの目的は達成できています
ところが、
不動産経営を始めれば
入居者からの家賃が主な収益になります
一方で我が国日本では、
今後はどうなっていくかというと
人口はどんどん減っていきます
すでに人口減少の流れに足を踏み込んでいます
新しく建築したばかりだと、
築年数も新しく入居者も確保しやすくなるでしょう
ところが建物は必ず古くなりますし、
メンテナンス費用もかかってきます
賃料収入以外にも諸経費もかかります
新しい物件もどんどん立てば競合になり、
どうやって入居者を確保するかという経営課題も生まれます
10年後も20年後30年後も、
不動産所得(収入ー経費)>返済資金を
常に上回ることを考え続けていく必要があります
目先の相続税はたしかに減るかもしれませんが、
入居者を確保し続けなければ場合によっては
減らした相続税以上に赤字、ということもあり得ます
こういった点を考えると相続税を減らすための
不動産経営の提案は個人的にはしておりません
肝になるのは賃料収入ですが、
一括借り上げ保証などで一定の金額を
保証する契約もありますが、
こちらの契約も景気を加味した
賃料見直し条項があったりするので
事前に確認が必要です
そういえば、
このような話も正直不動産という漫画に
話として出てきました(笑)
何十年も入居者確保という課題や
返済のことを考えて生きるよりも、
思い切って納税をして身軽になる
こういった選択肢も必要だと個人的に考えています
短期でキャッシュフローを改善し
経営者のビジョンと願望実現を支援
財務戦略の専門家
公認会計士・税理士
畑中 外茂栄