2025年10月18日
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愛知県の最低賃金は1,140円へ

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公認会計士・税理士
畑中 外茂栄です。
今年の最低賃金の引上げは10月18日、本日からです。
愛知県の地域別最低賃金が 1,140円 に改定されます(従来は1,077円)。

この引き上げ(+63円)は過去最大幅となっています。
数字だけ見れば大きな変化ですが、現場ではどう受け止められるのか。働く人と企業双方の視点で、その意味を探ります。
1. 1,140円改定のポイント
・対象は、県内すべての労働者(正社員、パート、派遣、臨時労働者など)- ・月給・日給制の場合は時間換算して比較
- ・通勤手当・家族手当・賞与・時間外割増賃金などは最低賃金の計算から除外
- ・特定業種に設定されていた産業別最低賃金よりも、地域最低賃金のほうが高い場合は地域最低賃金が優先適用
2. 働く人への影響
メリット
・時給制の仕事では、改定後すぐ効果が出やすい- ・交渉材料になる:最低ラインの引き上げは、賃上げ交渉時の根拠になる
注意点
・社会保険料・税金・物価上昇を引いた手取り差は限定的かも- ・勤務時間が短かったり、シフトが不規則だと恩恵が薄く感じられる可能性
3. 企業・事業者の対応
負担の増加
・人件費比率が高い業種(飲食、小売、サービス等)にはつらいコスト圧力- ・経営努力なしに価格転嫁すれば客離れのリスク
対応策
・業務効率化や付加価値向上- ・賃金制度・評価制度の見直し
- ・国や自治体の賃上げ支援制度(助成金など)を活用
4. 運用時期
・「10月18日勤務分」から新賃金で支払う必要がある(支払日ではなく勤務日ベース)- ・月給制社員の時間換算ルールを整える必要あり
- ・特定最低賃金が設定されていた業種の扱い(例外や除外条件)をチェック
5. 価値観の転換
日本から見ればどんどん賃金は上昇していますが、
それでも世界から見ればまだまだ低い賃金水準になります。
よって国もまだまだ賃上げの要請をする傾向になります。
大切なことは生産性の向上×財務体質の強化を軸として、
賃上げをできる環境を整えていくことです。
「なんとか賃上げをせずにうまく誤魔化せないか」と考えるより、
「どうやったらこの賃上げを実現できるか」と価値観の転換が必要になってきます。
公認会計士・税理士
畑中 外茂栄