2025年10月16日
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生前贈与で不動産を譲る前に知るべき“不動産取得税”

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公認会計士・税理士
畑中 外茂栄です。
不動産を子どもや親族に贈与して資産を早めに移したい──そう考える人は多いでしょう。
しかし、「相続税」や「贈与税」以外にも「不動産取得税」といった盲点になる税金も発生します。

1|贈与でも「不動産取得税」はかかる
・不動産取得税は、土地や建物を “取得したとき” に都道府県が課す税金で、贈与による取得も対象 になります。- ・相続や合併といった形式に取得する場合は、不動産取得税はかかりません。
2|取得税の “税額を決める3要素”
取得税の金額を見積もるには、次の三つを押さえる必要があります。
(1)課税標準:評価額ベース
・通常、固定資産税の評価額(固定資産課税台帳記載額)を基準とします。- ・宅地(土地部分)には、課税標準を評価額の 1/2 にする特例 が使える場合があります。
- ・仮に土地の評価額が1,000万円なら、特例適用で課税標準が 500万円 になることがあります。
(2)税率:どれくらいかけるか
・標準税率は 4% ですが、土地や住宅の場合には 3%(軽減税率) が適用されることがあります。- ・住宅以外の建物(商業ビル、店舗等)は軽減が効かず、4%になることが一般的です。
(3)軽減・控除制度:どこまで減るか
・住宅取得には「○○万円控除」が入る制度があり、建物についてはたとえば1,200万円を取得価格から差し引いた後に税率をかける方式が使えることがあります。- ・条件は、建物と土地を同時取得、築年数・床面積・耐震基準・居住要件などが関わります。
4|実務で注意したいポイント
・軽減制度を使うには、申告・証明書 の提出が必要な自治体があります。手続きをしなければ軽減が受けられないリスクがあります。- ・不動産取得税だけでなく、登記にかかる登録免許税 など他の税金も考慮して、トータルコストを比べる必要があります。
不動産取得税や登録免許税といった税目や、
その他専門家報酬などの諸経費も発生します。
状況によっては生前対策をせずに、
相続まで待ったほうがいい場合もあります。
個々の状況に応じて判断していきましょう。
公認会計士・税理士
畑中 外茂栄