2025年10月14日

カテゴリー:

融資&創業融資


政策金融公庫・信用金庫・地銀を使い分ける中小企業の調達戦略

365日ブログ 

2,997日目 


公認会計士・税理士 

畑中 外茂栄です。 

中小企業にとって「資金調達」は経営の生命線です。

しかし、1つの金融機関だけに頼ると、条件変更や追加融資への対応が難しくなることもあります。



政策金融公庫、信用金庫、地方銀行にはそれぞれ特性があり、

自社のステージや目的に応じて使い分けることで、より強い資金基盤を築けます。



【1】日本政策金融公庫:創業期・信用形成期の第一歩



政策金融公庫(日本公庫)は、国が出資する政府系金融機関として、中小企業や創業者の支援を目的に設立されています。


特徴は、無担保・無保証人での融資制度が充実していることです。



創業間もない企業や、銀行との取引実績が少ない事業者でも挑戦しやすい仕組みが整っています。



創業融資、設備投資資金、事業再構築資金など、幅広い用途に対応しており、初めての資金調達には最適なパートナーです。



審査では、過去の実績よりも事業計画書の内容と経営者の姿勢が重視される点も特徴です。




【2】信用金庫:地域密着の柔軟対応と関係性重視



信用金庫(信金)は、地域経済の活性化を目的としています。


最大の強みは、地域密着力と親身な対応です。



決算数値だけでなく、経営者の人柄や地域貢献度、事業への熱意を評価してくれるため、他の銀行が慎重になる案件でも相談しやすい傾向があります。



信金と良好な関係を築くポイントは、「日頃の情報共有」です。


決算書を提出するだけでなく、経営課題や今後の方針を担当者と話すことで信頼が深まります。



結果として、スピーディーな運転資金の調達や協調融資の提案など、継続的なサポートが受けやすくなります。




【3】地方銀行:成長ステージを支える大型資金の調達先



地銀(地方銀行)は、地域経済を支える中核的な存在です。



信用金庫よりも資金規模が大きく、1億円以上の融資や長期の設備投資資金にも対応可能です。



企業が成長段階に入り、事業拡大やM&Aなどを検討する際には、地銀との関係構築が重要になります。



ただし、地銀はリスク管理を重視するため、数字面の裏付けが不可欠です。



そのため、公庫や信金で実績を積み上げ、「返済能力」と「信頼性」を示すことが、地銀との取引拡大へのステップになります。




【4】三者を組み合わせた“資金調達ポートフォリオ”を構築する



理想的な資金戦略は、次のような段階的ステップです。



「創業期:公庫で初期資金を確保」
「成長期:信金で運転資金・つなぎ融資」
「拡大期:地銀で大型資金を調達」



このような調達体制を整えることで、緊急時の資金繰りにも柔軟に対応できるようになります。




【5】まずは“関係づくり”から始めよう



金融機関は、日頃の信頼関係を重視します。



いざという時に迅速な融資を受けられる企業は、日常的に金融機関と情報交換を行い、経営の透明性を高めているケースが多いです。



まずは現在の借入先を整理し、今後の事業ステージに応じて「どの機関とどう付き合うか」を計画的に見直してみましょう。



公認会計士・税理士 

畑中 外茂栄

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