2022年3月29日
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消費税の税込処理と税抜処理。経営判断に役に立つのは?
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公認会計士・税理士
畑中 外茂栄です
消費税の会計処理方法については、
税込処理と税抜処理
の2つが認められています
例えば売上で100円の取引で
消費税10%で10円の取引があるとします
そうすると決算書上の売上は、
税込処理は売上 110円
税抜処理は売上 100円
になります
表示方法自体は一般的には税抜処理が多いと
最終的に納める税金計算には影響がないため、
どちらを採用しても構いません
ただ経営判断としては気を付けなければいけない点があります
具体的に言うと経営指標です
例えば労働分配率という指標があります
労働分配率は自社の人件費の目安となる指標です
粗利を人件費で割って
100%をかけると労働分配率を出せます
例えば先ほどの事例で、
売上=粗利、人件費を50円と仮定して
税込処理と税抜処理の場合で労働分配率を出してみます
税込処理の労働分配率→50円÷110円×100%≒45%
となりました
一方で税抜処理の場合だと、
税込処理の労働分配率→50円÷100円×100%=50%
となるためまったく同じ収支構造だったとしても、
税込処理か税抜処理かで表面上の数値で計算すると
多少比率が変わってくるため判断基準が変わってきます
自社の適正な労働分配率は50%と考えると、
判断を見誤ってしまう可能性があります
基本的に消費税は、
預かっている部分と支払った消費税分の差額は
納付しなければいけないため除外して考える必要があります
そのため税抜処理をベースに考える必要があります
税込処理の場合には一手間かける必要がありますが、
税抜に直した上で各種指標を算出・判断してみましょう
公認会計士・税理士
畑中 外茂栄