2018年4月14日

カテゴリー:

経営判断の基準を作る考え方


サンクコスト(埋没費用)は置いて将来だけ考える

365日ブログ

257日目 

 

公認会計士・税理士

畑中 外茂栄です

 

 

今日はサンクコストの話です

 

 

サンクコストは埋没費用とも言われています

 

”サンクコスト(wikipediaより)”  

埋没費用(まいぼつひよう、sunk cost 〈サンクコスト〉)とは、

事業や行為に投下した資金・労力のうち、事業や行為の撤退・縮小・中止をしても戻って来ない資金や労力のこと

 

 

続けて、

wikipediaに良い例示があったので

引用します

 

”例1:つまらない映画を観賞し続けるべきか”  

2時間の映画のチケットを1800円で購入したとする。

映画館に入場し映画を観始めた。

10分後に映画がつまらないと感じられた場合にその映画を観続けるべきか、

それとも途中で映画館を退出して残りの時間を有効に使うべきかが問題となる。

 

映画を観続けた場合:チケット料金1800円と上映時間の2時間を失う。

映画を観るのを途中でやめた場合:チケット代1800円と退出までの上映時間の10分間は失うが、

残った時間の1時間50分をより有効に使うことができる。

 

この場合、チケット代1800円とつまらないと感じるまでの10分が埋没費用である。

 

この埋没費用は、この段階において上記のどちらの選択肢を選んだとしても回収できない費用である。

よってこの場合は既に回収不能な1800円は判断基準から除外し、

「今後この映画が面白くなる可能性」と「鑑賞を中断した場合に得られる1時間50分」を比較するのが経済的に合理的である。

 

しかしながら、多くの人は1800円を判断基準に含めてしまいがちである。

 

 

”チケットを紛失した場合”  

ある映画のチケットを1800円で購入しこのチケットを紛失してしまった場合に、

再度チケットを購入してでも映画を観るべきか否か。

 

チケットを購入したということは、その映画を見ることに少なくとも代金1800円と同等以上の価値があると感じていたからのはずである。

一方で紛失してしまったチケットの代金は前述の埋没費用にあたるものだから、

2度目の選択においてはこれを判断材料に入れないことが合理的である。

 

ならば、再度1800円のチケットを購入してでも1800円以上の価値がある映画を観るのが経済学的には合理的な選択となる。

しかし、人は「その映画に3600円分の価値があるか」という基準で考えてしまいがちである。

 

つまり、

過去のことは置いておいて

将来の発生する経済的利益と費用を比較しよう

ということです

 

サンクコストは、

文字通り埋まっていて

もう顏を出すことはありません

 

 

なんでこんな話をしているかというと、

先日とある社長の方から

こんなお話しを聞きました

 

 

社長

新規で始めた事業がなかなか軌道に乗りません。

けどすでにまあまあな金額を突っ込んだので、

止めるに止められません

 

 

抽象的な表現になってしまいますが、

この社長は本業のビジネスに加え、

本業に付随するビジネスを広げてきました

 

 

新規事業は当初の見込み通りではなく、

本業の順調だった事業にも

損失が食い込んできています

 

 

けど初期投資した金額も大きいため、

止められるに止められない

 

 

こんな状況です

 

 

トータルコスト(総費用)のうち、

すでに支払ったサンクコスト(埋没費用)が

頭をよぎっています

 

 

とはいえ自分も

サンクコスト(埋没費用)を

踏まえることがあるなと思います💦

 

 

人間的は合理性よりも

感情が優先する生き物ですね

 

 

 

理屈でもわかっても、

感情も関わるため

納得して止めることは

なかなか難しいのです

 

 

とはいえ、

不採算事業といえど

続行するか廃止するかは

最終的に決断するのはご自身です

 

 

決断したいが

判断する材料がそもそもわからない

 

 

そういったときはこれからの

お金の入りと出の根拠を考えましょう

 

 

見るべき先は、

過去ではなく将来です

 

将来のことを考えていきましょう

 

もしこれから何か決めることがある

判断に迷っていることがある

 

 

そういったときには

このサンクコストを

思い出してほしいと思います

本日もお忙しい中お読みいただき、

どうもありがとうございました

 

公認会計士・税理士

畑中 外茂栄

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